前回記事「便が細い、硬い… 腸の老化度をチェックリストで確認」では、便秘を悪化させる要因を紹介した。では、腸の老化を防止し、便秘を解消するのにできることは何か。「大切にしてほしいのが、毎日の食事です。口から食べたものを消化・吸収し、不要になったものを体外に排出するのが腸。自らの腸に毎日何を入れるのかをしっかり見直しましょう」と話すのは、腸の不調に悩む人の診療に当たる松生クリニック院長の松生恒夫さん。松生さんが薦める食材や栄養素について聞いた。

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腸の老化防止に松生さんが薦めるのは、9種類の食材と栄養素だ。「実際に、下剤やマグネシウム製剤を服用している慢性便秘症の患者さんに摂取していただき、症状が改善し、薬を減らすことができた、つまり、大腸を適正に動かすという結果が得られたものばかりです」

まず、意識しないととりにくいのが、水溶性食物繊維だ。

「食物繊維といって頭に浮かぶのは野菜かもしれませんが、実は野菜に多く含まれるのは不溶性食物繊維。適度にとれば腸の動きを良くしますが、とり過ぎるとおなかが張ったり、腸で詰まって便秘を悪化させたりすることがあります。その点、水溶性食物繊維は便の硬さを改善し、血糖値の急激な上昇を抑え、コレステロール値の上昇を抑える効果もある。もち麦やキウイなど、水溶性食物繊維を豊富に含む食材を食べることを習慣にしましょう」

また、松生さんがその効果を実感しているのが、エキストラ・バージン・オリーブオイル。ヨーロッパでは古くから便秘解消のために用いられてきた。「腸の内容物の滑りを良くし、スムーズな排便を促します」。スープやココアなどに回しかけると、油膜を作って保温効果を高め、腸の冷えを防ぐこともできる。

腸の免疫力を高めるには、刺し身や生卵からグルタミンを取ろう。ちなみに、うまみ成分のグルタミン酸とは異なるので注意を。また腸内の善玉菌を増やすのなら、オリゴ糖がお薦め。バナナに豊富に含まれ、オリゴ糖シロップもある。オリゴ糖は、血糖値を上げることなく腸内細菌のエサになる。

■腸内環境改善には和の発酵食品を

ところで、腸内環境の改善にヨーグルトを食べている人が多いかもしれないが、脂肪を豊富に含むため、とり過ぎには要注意。そこでお薦めなのが和の発酵食品だ。

「日本で古くから食べられてきた味噌や漬物などの発酵食品には、大腸まで生き抜く植物性乳酸菌が豊富です」

また、加齢やストレスで低下する抗酸化作用を高めてくれるのがファイトケミカル。野菜などからとると、酸化による体のサビを防ぎ、大腸がん予防にもつながる。

【1】食物繊維(特に水溶性食物繊維)

→大腸のエネルギー源、酪酸を生む

大腸のエネルギー源となり、免疫アップにも重要なのが酪酸。酪酸は、腸内細菌が食物繊維、なかでも水溶性食物繊維を食べることで産生される。食物繊維は水溶性を意識してとろう。

【2】エキストラ・バージン・オリーブオイル

→抗酸化物質が豊富、便通を促す

豊富に含まれるオレイン酸が小腸を刺激したり、大腸内の滑りを良くしたりして便通を促す。「エキストラ・バージンという表示があるオリーブオイルは、オリーブの実を丸搾りし、精製していないため、抗酸化物質が豊富です」。