■AIは課題発見能力を持たない 人間らしさが価値を持つ

AIは目的を与えれば人間よりも上手に解を見つけられる。ただ課題解決の力がある一方で、課題を発見する力はないともいわれる。「課題というのは、人に共感して、その人の気持ちになって困りごとを見つけてあげよう、解決してあげよう、という情熱がないと見つけられないんです」。色々なものが機械に置き換わる時代にこそ、最後は人間らしさが価値を持つようになる、と確信したという。

統計学を一から勉強しなおし、2014年にビジッツテクノロジーズを創業。日本のトップデータサイエンティストらを集めて、属人的で主観的であるために測れないであろう、と思われていた創造力、目利き力、アイデアの価値を数学的に解く、独自の合意形成アルゴリズム「アイデアグラム」を開発した。

「たとえばある人のインスタグラムには1万人のフォロワーがいて、別の人には100人のフォロワーしかいない。でもその100人がものすごい目利きの100人だとしたらすごい。そのフォロワーは普段どんなことをして、だれから評価され、どんなアイデアを出しているのか。そうしたことを数学的に解いていく考え方」。信頼のある人の1票は普通の人の1票よりも重いはず。その能力はどのくらいか、確率分布で信頼度を数学的に計算することで真実に近づけていく。

CIの応用範囲は広い。たとえば大手自動車会社と次世代モビリティーはどんな目利き力のある人が見極めるのか。多くの社員が感動する快適なオフィスとは何か。「1つのデザインとか1つの機能しか作れないなら、人々がもっとも共感するデザインや機能やメッセージとは何なのかを探ることが大切。ROI(投下資本利益率)の最大化ポイントの重心を探し出す。それが私たちの技術です」