魚をよく食べる人ほど認知症を発症するリスクが低いことが、日本人の高齢者約1万3000人を対象とした研究で明らかになりました。

日本は魚の摂取量が多い国の1つです。魚には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)など、認知機能の低下予防に役立つ可能性のある栄養素や、ビタミンB12やビタミンEのような、神経保護作用を持つ栄養素が含まれています。ゆえに日常的な魚の摂取は、認知症発症リスクの低下をもたらす可能性があります。

これまでに、日本食や地中海食などが認知症予防に役立つことを示唆する研究結果がいくつか報告されています。これらの食事法の特徴の1つは、魚を豊富に食べることであるため、日常的な魚の摂取が認知症リスクの低下に関係するのではないかと考えられるようになりました。しかし、魚の摂取と認知症発症の関係を調べた研究はこれまで5件しか行われておらず、それらは一貫した結果を示せていませんでした。

そこで東北大学の研究チームは、65歳以上の日本人を対象に、魚の摂取量とその後の認知症発症の関係を調べることにしました。

対象となったのは、宮城県大崎市に住む65歳以上の市民のうち、条件を満たした1万3102人です。2006年12月に、最初の調査の一環として食物摂取頻度調査を行い、魚とその他の食品の摂取状況を調べました。魚の摂取については、(1)刺身などの生魚と加熱調理した魚、(2)すり身の魚、について尋ねました。魚も含むすべての食品について、食べる頻度を以下の中から選択するよう依頼しました:ほとんど食べない/月に1〜2回/週に1〜2回/週に3〜4回/ほぼ毎日。

(1)と(2)を合わせて、食べる頻度と1回の摂取量から1人1人の1日当たりの魚の摂取量を推定し、その値に基づいて対象者を、最も少ない(Q1群)/やや少ない(Q2群)/やや多い(Q3群)/最も多い(Q4群)、の4群に分けました。各群の1日当たりの魚の摂取量の平均はそれぞれ、20.4g、44.3g、57.7g、96.9gでした。