「手作りハンカチは、家族以外にはあげたことないです。使っていただけるか分からないし、『もらっても迷惑じゃないかな』と思ってしまうので…」

■コンビニもWi-Fiもない島での撮影

3月5日公開の出演映画は『太陽は動かない』。『悪人』『怒り』などで知られる吉田修一さんの小説を、『海猿』シリーズ、『MOZU』シリーズの羽住英一郎監督が映画化したノンストップ・サスペンスだ。南さんは、主人公の鷹野一彦が高校時代に恋心を抱く同級生・菊池詩織を演じている。

「最初に、原作の『太陽は動かない』と『森は知っている』を読んだんです。『太陽は動かない』は情報組織のエージェントになった主人公を描いたサスペンスで、『森は知っている』はその少年時代を叙情的に描いた小説。全然違う2作を1つの映画にするとどうなるんだろう……と、ワクワクしながら現場に入りました。

詩織ちゃんについては、小説や脚本を読んでも、あまりイメージがつかめなかったんです。でも監督にお会いしたら、『そのままで大丈夫』と言ってくださったので、少し気が軽くなって。自分なりに現場で探りながら演じていた気がします」

菊池詩織役を演じた南沙良さん(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

出演パートは、19年夏に三重県鳥羽市の沖合にある「答志島」で撮影された。

「普段、東京で生活していると自然に触れる機会がないので、島に渡ったときは新鮮でした。1週間くらい滞在したんですけど、コンビニもWi-Fiもない。時間の流れも空気も違う気がしました。撮影で大変だったのは、滝を見に行くシーン。暑かったけど、滝の周りだけはマイナスイオンがすごくて。冷たいミストを全身で浴びつつ、凍えながらお芝居をしてましたね。

完成した映画を見て印象的だったのは、私が自然体で映っていたことです。『この映画で唯一の癒やしが島のシーン。だからリラックスしてお芝居してください』と監督に言われていたので、それができて良かったなと思いました。あと、私は芯が弱いタイプですけど、詩織ちゃんは芯の強い子。詩織ちゃんを演じて、自分も少し強くなれたような気がしました」