暖かい場所よりも寒い場所で運動したほうが脂肪の燃焼効果が高くなることが、肥満気味の成人を対象としたカナダの研究で明らかになりました。

■高強度インターバル運動は脂肪をよく燃やす 気温の影響は?

定期的な運動は、食後の血液中のコレステロールや中性脂肪(以下、血中脂質量)の低下に関係することが示されています。また、ジョギングなどの持続的な中強度の運動に比べ、高強度・短時間の運動をインターバル(休憩)を挟みながら繰り返す「高強度インターバル運動(HIIE)」のほうが、食後の血中脂質量の低下幅が大きく、脂肪を燃焼させる(脂肪を分解してエネルギーを発生させる)効果も高いという報告がありました。

しかし、脂質の代謝に影響を及ぼす要因は、運動のタイプ(持続的な運動かインターバル運動か)や運動の強度(中強度か高強度か)だけではありません。例えば実施環境、特に気温も影響することが示唆されています。

そこでカナダLaurentian大学などの研究者たちは、低温環境でのHIIEが、脂肪燃焼と、食後の血中脂質量などに及ぼす影響を検討することにしました。

対象は、18歳から30歳までの、BMIが25から30の範囲にある過体重者[注1]で、娯楽として運動している健康な人としました。大学のチームの代表となるような選手やプロスポーツ選手などは除外し、条件を満たした11人を登録しました。性別の内訳は男性7人、女性4人で、平均年齢は23歳、平均体重80kg、持久力の指標である最大酸素摂取量[注2]は39.2mL/kg/分でした。

■1泊2日のセッションを、気温を変えて2回実施

研究は以下の手順で行われました。参加者は、1泊2日のHIIEセッションに、1週間以上の間隔を空けて2回参加しました。セッションでは、各人の最大酸素摂取量の90%に負荷設定した自転車エルゴメーターを60秒間できるだけ速くこぎ、続く90秒間のインターバル(休憩)には、最大酸素摂取量の30%に相当する負荷でサイクリング、という運動を10回繰り返しました。HIIE実施時の室温は21度または0度に設定し、参加者は無作為に割り付けられた室温の部屋で1回目のセッションを行い、1週間後以降にもう一方の室温の部屋で2回目のセッションを行いました。

[注1]BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) BMI 25以上30未満は、米国では過体重、日本肥満学会の基準では肥満に該当する。

[注2]最大酸素摂取量(VO2max):1分間に体重1kg当たり取り込むことができる酸素の最大量のこと。