不安がつきまとう時代だからこそ、ポジティブなファッションに関心が集まっています。2020年亡くなった、「KENZO(ケンゾー)」ブランドの創業デザイナー、高田賢三さんはフラワーモチーフをはじめとする、ハッピー気分の装いで知られました。その賢三さんをリスペクトしたコレクションを、日本の「KEITA MARUYAMA(ケイタマルヤマ)」とイタリアの「forte_forte(フォルテ フォルテ)」が2021-22年秋冬コレクションで発表しました。

どちらも賢三さんから着想を得た花柄やニットがあでやかな印象。往年の「KENZO」デザインをリスペクトしつつ、現代の感覚を盛り込んだタイムレスなコレクションで、秋冬の着こなしに華を添えてくれそうです。両ブランドのコレクションと共に、あらためて賢三さん流ファッションの魅力も確認していきましょう。

■文化ミックスでボーダーレス マルチカラーで無国籍ボヘミアン

袖口とスカート裾からのぞくレオパード(ヒョウ)柄がスパイスを添えて forte_forte 2021-22年秋冬コレクション

「フォルテ フォルテ」のデザイナーはかつてパリの「KENZO」のデザインチームで働いていたそうです。今回の「the circus dreamers」と名付けたコレクションには、賢三さんの業績への敬意が多面的に込められています。あでやかな花柄が身頃(みごろ)の正面に施されたゆったりとしたシルエットのセーターは、花束をまとったかのよう。ニットのやさしげな風合いのよさも、賢三さんが世界に広めました。フラワーモチーフ以外を白系でまとめると、静物画のように柄を引き立ててくれる効果があります。

ソックスとサンダルのコンビネーションでのどかなムードを演出 forte_forte 2021-22年秋冬コレクション

国籍にとらわれない装いを提案した賢三さんは今の「ボーダーレス」なトレンドを見越していた先駆者です。遊牧民やサーカス、ボヘミアンといった、決まり事にしばられないイメージも、賢三さんの作風に通じるところがあります。ピンクのコートは、自由なおしゃれマインドや情愛の大切さを映すかのよう。ウエスタン気分の帽子をかぶり、エスニック調のニットピースを垂らした小物使いもノマド風で、ボーダーレス感が漂います。

細かいレオバード柄のトートバッグで柄の大小コントラストを強調 forte_forte 2021-22年秋冬コレクション

賢三さんの功績の一つに、様々な種類の柄をモード界に送り込んだことが挙げられます。レオパード(ヒョウ)柄やゼブラ(シマウマ)柄などのワイルドアニマル系モチーフを広めるうえでも、賢三さんが一役買いました。アニマル柄には強いインパクトがありますが、着て行ける場面を増やすには、ワイルド感をトーンダウンするのが得策。質感がソフトなニットで表現すれば、抜け感を帯びたリラックスムードに。上品なブラウン系でまとめた「トーン・オン・トーン」のコーデに整えました。

(画像協力)
フォルテ フォルテ
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