宝飾大手フェスタリアホールディングス(HD)の主力ブランド「フェスタリア ビジュソフィア」が、新型コロナウイルス禍を経て30〜40代の女性からの支持を集めている。宝飾業界に逆風が吹くなか、カスタムメードサービスで需要をつかむ。

■アプリで注文、AR技術で試着も

「会社とブランドがどうすれば生き残れるかしか考えていなかった」。フェスタリアHDの貞松隆弥社長は、2020年春の緊急事態宣言のころを振り返る。

コロナ禍が直撃し、20年8月期の連結売上高は84億円と前の期比15%減り、最終損益は8億円の赤字に転じた。原材料として抱えていた地金やダイヤモンドを現金に換えて営業資金に充てた。同時に、感染収束後に向けた企業体制やブランドの改革に乗り出した。

てこ入れの対象となったのが、旗艦ブランドで高価格帯の商品を扱う「フェスタリア ビジュソフィア」だ。主要都市の百貨店に店を構え、顧客は20〜40代の働く女性が多い。主力商品は大小2つの星が映し出される形をしたダイヤモンド「ウィッシュアポンアスター」。

まず昨春から、3Dプリンターや3次元CAD(コンピューターによる設計)を導入しカスタムメードを始めた。色やダイヤモンドを選ぶだけで自分好みの商品を作ることができる。専用アプリも用意し、自宅でも簡単に注文できるようにした。拡張現実(AR)技術で試着も可能だ。

素材もデザインも同じものを作って在庫を抱え、販売に備える既製品と異なり、カスタムメードは顧客の注文を受けてから原材料を取り寄せることが多い。価格変動の大きい金やダイヤモンドをその都度注文して在庫リスクを減らす狙いもある。

「宝飾は固定費が高いビジネスだ」。貞松社長はコロナ下でこう認識したという。東京・銀座の旗艦店「フェスタリア ビジュソフィア ギンザ」の閉店を決めたのもそんな背景がある。