「起業家は暇な方がいい」と語る灘高出身の起業家、安田光希さん

デジタルトランスフォーメーション(DX)支援企業として注目の集まるBLUEPRINT Founders(以下ブループリント、東京・港)共同創業者の安田光希さん(27)。灘中学・高校を経て大学時代にAI(人工知能)系サークルの仲間2人と起業、大企業向けのリスキリングを支援、DX人材の育成や関連事業を展開して急成長している。灘時代の体験をテコに独自のビジネスモデルを構築したという。異色のDX起業家の素顔に迫った。

■大学でAIサークルを立ち上げ、3人で起業

「起業家は暇じゃないと」。安田さんはユニークなリーダー論を語る。若手の経営者は、24時間365日休みなしのイメージだが、「既存の事業はプロ人材に任せて、トップはもっと本質的なことを考えた方がいい。今の時代のニーズは何で、こんな新規事業をやれないかと、余裕がないと思い浮かばないでしょう」と話す。

安田さんは学生3人で起業したが、独自の経営形態を作り上げた。慶応義塾大学経済学部に入学後、東京大学や早稲田大学などの学生が16年に立ち上げたAIを学ぶサークル「東大人工知能開発学生団体HAIT(ハイト)」に参加した。100人以上の学生が集まり、中心メンバーとなった。

空前のAIブームとなり、大企業からデジタル人材育成支援を求められるようになった。AI人材養成の動画を作成すると、ソフトバンクなど企業側から「会社組織にしてもらったら、すぐに発注する」と言われ、ハイト代表だった石井大智さんらとSTANDARD(スタンダード)を創業した。

■スタート時から黒字、導入企業は650社に

「多くの大企業からの要望で起業したので、スタート時から仕事はヤマのようにあり、黒字経営だった」と安田さんは振り返る。日本の大企業にとって、AIを活用したDXは未知の領域、学生にもビジネスチャンスがあった。石井さんが経営全般を担うCEO(最高経営責任者)、鶴岡友也さんが技術を担うCTO(最高技術責任者)となり、安田さんはCOO(最高執行責任者)として企業向けの営業を引っ張った。

DX関連のニーズが大企業中心に高まり、安田さんは最初の3年間で約2千社を回り、導入企業は650社に達した。中高年社員のリスキリングが大企業のテーマとなっているが、「実際の現場に生かせないとリスキリングはうまくいかない。ただ技術を学んだだけで終わらせないため、アイデア創出やビジネスデザインを支援する現場担当者向けのワークを提供している。」という。