九州電力は、欧州や北米での発電事業に進出する方針を明らかにした。2017年度から5年間で、直近5年間の11倍の550億円を海外での発電事業に集中投資し、新たな収益源に育てる。電力自由化や人口減少で九州の電力需要が縮小する中、既に発電所を保有しているアジアやメキシコの新興国に加え、先進国を含む海外事業を成長戦略の柱と位置づける。

 九電の掛林誠常務執行役員(国際担当)が西日本新聞の取材に応じ、「欧米や先進国もチャンスがあればやっていきたい」と述べた。既に社員を現地の展示会などに派遣し、メーカーや開発事業者などから情報収集を進めている。

 欧米市場は成熟し、競合企業も多いが、確実な投資リターンや世界最先端の市場情報を得られると判断した。電力需要の伸びが見込める米国やカナダでの天然ガス火力発電所建設や、欧州で洋上風力などの再生可能エネルギー事業への参画を検討。新興国と合わせ10件以上の建設や買収を計画している。

 九電は01年、海外で発電所を保有し電力を卸売りする海外発電事業を開始。ベトナムやインドネシア、メキシコなど新興国7カ国・地域で8カ所の発電所に出資し、日本の商社や大手電力会社、外国企業と共同で事業を運営している。天然ガス火力を中心に風力、地熱発電も手掛け、市場の成長性が高い新興国に技術移転してきた。

 九電は6月に公表した財務目標に、海外発電事業の強化を盛り込んだ。17年度153万キロワットの出力を、21年度240万キロワット、30年度に500万キロワットに増加。同事業の経常利益も年20億円から21年度70億円、30年度には100億円を目指す。