福岡市南区柏原1丁目のアパート一室で住人の自営業吉松孝さん(56)が遺体で見つかった事件で、吉松さんの携帯電話がなくなっていることが10日、捜査関係者への取材で分かった。所有する白い乗用車もなくなっているが、財布は残されていた。福岡県警は金銭目的の犯行ではなく、吉松さんと面識がある人物との何らかのトラブルで殺害されたとみて交友関係を捜査している。

 捜査関係者によると、吉松さんは2LDKの部屋に1人暮らしだった。部屋は施錠され、荒らされた形跡もなかった。台所に財布があり、金目の物も残されていた。一方、なくなった白い乗用車は、同区付近まで防犯カメラなどで追跡できているが、その先の行方は不明。携帯電話も見つかっていないという。県警はいずれも犯人が持ち去った可能性があるとみている。

 遺体は8日夕に発見され、死因は多数の刺し傷による失血死。捜査関係者によると、背中に刃物によるものとみられる刺し傷が十数カ所あり、腹部にも大きな傷があったという。7日ごろ死亡したとみられ、凶器は見つかっていない。県警は強い殺意を持った犯行とみて調べている。

 吉松さんは同区でコインパーキング機器の販売や管理の会社を経営していた。6日夜、同区内の行きつけの飲食店を訪れていたのが最後の足取りという。店の従業員は「6日もいつもと変わらず楽しく飲んでいた様子だった。本当に驚いている」と話した。

=2019/02/11付 西日本新聞朝刊=