佐賀銀行は19日、福岡市の支店で起きた多額窃盗事件で、福岡県警が摘発した窃盗グループに同行の1億円以上の預金者リスト169人分が流出していたと発表した。県警は、元行員の吉田淳被告(42)=窃盗罪などで公判中=が行内のデータベースを不正に使って高額預金者リストを作成し、窃盗グループに渡していたとみている。情報流出を受け、同行は陣内芳博頭取と役員の処分を検討する。

 陣内頭取は同日、記者会見で「高い倫理観と信用が求められる金融機関として深く反省し、皆さまに心からおわび申し上げます」と謝罪した。同行は、リストに記載された顧客に直接謝罪。顧客からは解約の申し出もあったという。今のところ、窃盗などの被害は確認されていない。

 リストの169人は佐賀、福岡両県の顧客が中心で名前や住所、連絡先、預金残高が記載されていた。口座番号と暗証番号の漏えいはないという。共犯として起訴された別の被告の弁護士が県警にA3判3枚のリストを提出し、同行が顧客情報との一致を確認した。

 同行によると、データベースは行員であれば見ることができる。吉田被告の在職時のデータベース検索記録と照合したところ、昨年7月、流出情報と同じ内容を検索していたことが分かった。しかし、同行のパソコンからリストを印刷する際に残るはずの履歴は確認できなかった。

 佐賀銀行では昨年8月、箱崎支店で侵入事件が発生。同10月に干隈支店で現金5430万円が盗まれた。吉田被告は窃盗グループに、箱崎支店の行員専用出入り口の暗証番号などを提供し、干隈支店では同僚宅から支店の鍵を盗んで渡したとされる。

=2017/06/20付 西日本新聞朝刊=