死者・行方不明者が40人を超える九州豪雨で、被災地の福岡県朝倉市は捜索を続ける行方不明者の氏名を公表していない。災害時の不明者の氏名を巡っては、手掛かりを求めて公表することもあれば、朝倉市のようにプライバシーの視点から慎重なケースもあり、自治体で扱いが異なる。ただ、多くは基準を設けておらず、専門家は「明文化しておくべきだ」と指摘する。

 九州豪雨では、犠牲者の身元が特定された後に氏名が公表され、不明者については「家族の精神的負担やプライバシーに配慮した」(朝倉市)として非公表となっている。

 77人が犠牲になった2014年の広島土砂災害では、広島市が発生5日後に当時不明だった28人の氏名を公表。「市長のトップダウンで決めた。早期の安否確認につながった」(広島市)という。

 関西大の山崎栄一教授(災害法制)は「災害時の不明者情報は個人情報保護条例の例外規定の対象で提供は可能。人命救助など公共性が高い場合は素早い対応ができるよう、自治体は公表の基準を事前に定めておくべきだ」と話す。