九州豪雨で被災した福岡県朝倉市菱野の国史跡「三連水車」がある堀川用水路で2日早朝、試験通水が始まり、7月5日の豪雨発生後初めて3基の水車がゆっくりと回り出した。江戸時代から農村を支え、豪雨を乗り越えて力強く動きだした地域のシンボルは、かろうじて被害を免れた田畑に水を送る。地元の関係者や住民は歓声を上げ、久々に笑顔を見せた。

 午前5時、水車を管理する山田堰(ぜき)土地改良区の役員が水門を開くと、まだ茶色く濁った水が下流の水車へと勢いよく流れた。しかし水底に汚泥がたまった水車は、なかなか動かない。

 「頑張れ! 頑張れ!」。役員や近所の住民が水車へ声援を送り、流量を増やして手押しで勢いをつけると、同6時すぎにバシャバシャと水音を立てて回り始めた。不安そうに見守っていた人々に笑顔が広がり、拍手が沸いた。

 同日午後にも本格的な通水が始まる。改良区の徳永哲也理事長(70)は「あと1週間遅ければ田んぼは立ち枯れていた。うれしい」。駆け付けた小川洋知事も「田畑に水を届けるだけでなく、地域の皆さんに元気をくれる。復旧復興を急ぎたい」と力を込めた。

=2017/08/02 西日本新聞=