これもおおらかな大陸気質なのか。今月から北京で働くため部屋探しを含めて3回、北京国際空港の発着便を利用したが、いずれも出発は予定から3時間以上遅れた。3時間待って搭乗後、機内でさらに2時間待たされた時は怒る気力もうせた。

 ロビーでは遅延のアナウンスはなし。係員に尋ねても詳細な理由は分からない。しびれを切らした客が騒ぎだし、航空会社からおわび(?)の弁当が配られたこともあった。

 常態化する遅れは、便の増加や悪天候が原因とされるが、中国では別の理由を耳にした。いわく「軍の演習があるから」「共産党幹部の乗った便が優先されている」…。真偽は不明だが、“お上”に振り回される庶民ならではの目線を感じた。

 ある日本人記者は中国の地方取材で、記者会見に遅れてきた市幹部から「安心してたくさん質問してください。皆さんの飛行機は出発を遅らせるから」と言われ、他の利用客への迷惑を考えない発想に驚いたという。

 遅れの背景にどんな事情があるのか想像しながら気長に出発を待つ。目の前の事象だけにとらわれない姿勢は、中国と向き合う時に欠かせない気がする。

=2017/08/09付 西日本新聞朝刊=