気圧の谷と南から入り込んだ暖かく湿った空気の影響で九州北部は9日朝、局地的に非常に激しい雨が降り、風速20メートルを超す強風が吹いた。長崎県平戸市沖と福岡市の能古島沖で、それぞれ漁船1隻が転覆。同市博多区では建物の外壁が落下し、街路灯が折れるなどの被害が出た。大気の状態が非常に不安定になっており、気象庁は福岡県や熊本県に一時、竜巻注意情報を出した。

 9日午前7時ごろ、平戸市の下枯木島沖で、漁船「昭栄丸」(4・7トン)が転覆。乗組員2人が海に投げ出されたが、僚船に救助された。福岡市西区の能古島沖では午前8時25分ごろ、漁船「福新丸」(1・37トン)が転覆しているのを航行中のフェリーが発見。船底につかまっていた男性船長が救助された。いずれもけがはなかった。

 福岡市博多区須崎町では同日午前8時15分ごろ、突風が吹き、日本茶販売店の外壁がはがれた。男性店主(71)は「壁が幅約4メートル、高さ約4メートルにわたって落ち、軒先のテントも裂けた。建物全体が揺れた」と話した。竜巻の可能性もある。

 気象庁によると、各地の最大瞬間風速は、福岡市24・6メートル▽長崎県新上五島町23・7メートル▽佐賀市27・5メートル▽熊本県益城町21・6メートル−を観測。JR九州は、JR筑肥線東唐津−唐津間で一時運転を見合わせた。

 九州豪雨の被災地では、局地的に大雨が降り、福岡県朝倉市で4480世帯1万1606人、同県東峰村で179世帯442人に避難勧告が出された。

 朝倉市杷木地区の避難所には午前9時前から、自宅に戻っていた被災者が次々と集まった。同市杷木寒水(そうず)の70代男性は「ものすごい雨で小さい川が氾濫しそうになっていた。降り続いたら危なかった」。杷木林田の男性は「何でこんなに降るんだ。戻ったら危ないので今日はどうしようもない」とため息をついた。

 気象庁によると、九州北部は9日夕方にかけて局地的に雷を伴い、非常に激しい雨が降る恐れがある。10日正午までの24時間予想雨量は、多いところで福岡、熊本100ミリ、佐賀、長崎、大分80ミリ。

=2017/08/09 西日本新聞=