2013年に販売された「北九州市公共交通1日フリー乗車券」

 北九州市営バスを運行する市交通局が、市内の主要な公共交通機関に乗れる「1日フリー乗車券」の再開に向けて動きだした。まずは11月ごろから、同交通局販売の1日乗車券をスマートフォンで購入し、利用する電子化の実証実験をスタート。その仕組みをベースに、JR九州や西鉄バス北九州などほかの主要な交通機関にも参入を呼び掛け、利用しやすい乗車券を実現したい考えだ。

 同交通局によると、北九州市では2013年10月から2カ月間、試験的に土日祝日限定でJRや西鉄、北九州モノレール、関門汽船など交通局を含む7事業者が「市公共交通1日フリー乗車券」を販売(大人1500円)。好調な売れ行きだったが、収入配分に課題が残り、本格実施に至らなかった。

 その後、人口減や自家用車の利用増で公共交通の利用者はさらに減り、市交通局も18年度まで3年連続の赤字。一方で外国人観光客が増え、外国人でも使いやすい1日乗車券の需要が高まっている現状もある。

 市交通局は、乗り換え案内情報を提供するジョルダン(東京)と6月末に協定を締結。出発地から目的地まで最適な移動手段を一つのアプリで検索、予約、決済できる「マース(MaaS)」という新たなサービスについて、両者は市内でモデル事業を一緒に進めることになった。

 第1弾で、同交通局が紙やICカードの形で販売する「1日乗車券」や「土休日家族割引乗車券」などを電子化。ジョルダンのスマホアプリからクレジットカードで決済し、それを運転手にみせたり、QRコードをかざしたりして降車する。窓口で買う煩雑さを軽減し、使いたいときに利用できるメリットもある。

 同交通局は年明けにも、「市MaaS協議会」を立ち上げ、同じような仕組みで市内の交通機関を広く利用できる1日乗車券を電子版で復活できないか、JR九州や西鉄などと検討したい考えだ。