大分県と大分市は、温泉を含む県内の公衆浴場施設439カ所に対し、新型コロナウイルス感染対策の徹底を改めて呼び掛ける通知を出した。県内の公衆浴場では6日、常連客同士がマスクを着けず会話したことが原因と疑われる感染が複数人判明している。通知の発送は8日。全国屈指の「温泉県」の安全を維持するため、施設側も通知を重く受け止めている。

 県などによると、通知先は立ち寄り湯がある旅館や日帰り温泉施設など。全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会のガイドラインを参考に、対策に取り組むよう要請した。ガイドラインは、脱衣室で客が共有するロッカーやドライヤーは定期的に消毒▽浴室内で対人距離を1メートル以上確保し、会話を控えるよう促す−などを呼び掛けている。

 6日判明の感染は県内の1施設で、温泉かどうかなど詳細は非公表。

 県はこれまで、県公衆浴場業生活衛生同業組合に感染対策の徹底を求める通知を出していたが、同組合未加盟の施設も多い。対策徹底に迅速に取り組んでもらおうと、初めて各施設に直接通知した。

 大分県は源泉総数5088(昨年3月末現在)、1分当たりの湧出量29万4646リットル(同)でともに全国1位。コロナ禍で利用者数が大幅に減ったという別府市内の温泉施設は「温泉で感染者が出ればイメージが悪化し客足がさらに遠のいてしまう。感染防止に向けてできることをいま一度しっかりやる」と危機感を強めている。県は「浴室内でマスク着用を求めるのは難しいが、施設側も利用客も感染リスクを意識してほしい」と訴える。 (吉村次郎)