五條堀美咲さんが暮らしたアパート付近で情報提供のチラシを配る父親=24日午前、大分市横尾

 大分市の会社員だった五條堀(ごじょうぼり)美咲さん(29)=福岡県久留米市出身=が行方不明となって25日で5年。大分県警は24日、大分市で両親とともに情報提供を呼び掛けるチラシを配った。

 五條堀さんは、2016年9月25日午後11時半ごろまで1人暮らしのアパートで友人女性と雑談。翌日午前1時ごろ、無料通信アプリLINE(ライン)のやりとりを最後に連絡が取れなくなった。スマートフォンの電波が最後に確認されたのは同日早朝、自宅周囲数キロ内だった。

 県警は今年8月末までに捜査員延べ約3万2千人を投入、現在は25人態勢で捜査する。会員制交流サイト(SNS)の交友関係やアパート付近の側溝やため池を調べたが、手掛かりは得られていない。所有していたトートバッグなども見つかっていない。これまでに寄せられた情報は265件、今年は14件にとどまる。情報提供は大分東署=097(527)2131。

無事願う父「チラシ配布が最後になれば」

 「月日ばかりがたち進展もない」。無事を願う五條堀美咲さんの父親(67)=福岡県久留米市=が苦しい胸の内を明かした。

 夫婦2人で暮らす父親は、美咲さんのアパートにあったアクセサリーなどを白い箱に入れ、大切に保管する。

 「出社していません」―。美咲さんの勤務先から連絡を受けたのは、2016年9月26日午後3時ごろ。アパートは施錠され、洗濯物は干したまま。荒らされた形跡はなかった。

 怖がりで泣き虫だった美咲さん。母親の教えを守り、窓を閉めて寝るなど防犯に気を付けていた。朝晩は母と電話で話し、月1回は帰省。失踪する理由は思い当たらない。

 「この先どうなるんやろか」と涙が止まらなかった時期もある父親。コロナ禍前は大分市にしばしば出向き、手掛かりを求めアパート付近を歩き回った。眠れぬ夜は、ベランダで夜空を見上げ「美咲も見よるやろうか」と思いを巡らせる。

 「うちの娘です。情報をお願いします」。24日、道行く人に懇願した。「チラシ配布が最後になれば」

(井中恵仁)