県大会を制した福岡大若葉高の女子1600メートルのリレーメンバー

【全力応援】

 全国高校総体の陸上男子1600メートルリレーで2連覇を目指す東福岡が好スタートを切った。19日に佐賀市で行われた福岡、佐賀、長崎、大分の代表が競う北九州大会では3分11秒56で昨年の全国総体を上回るタイムで優勝。同大会では個人の短距離、障害の4種目に加え、400メートルリレーも制した。先月29日まで行われた福岡県大会では個人、リレーも含めた男子短距離、障害の全種目を制覇。最終目標は全国の頂点でも調整目的の大会はない。いつでも全力。これが同校の強さにつながっている。(向吉三郎)

「一本一本を全力で走る」

 4人でトラック1周400メートルずつをつなぐ1600メートルリレーは五輪でも全国高校総体でも陸上のトラック種目の最後に行われることが多い。各校の総合力が問われ、関係者に「マイルリレー」と呼ばれる全国総体の花形種目の一つを昨年、東福岡が制した。

 2年時に優勝メンバーとなった冨永湧平(3年)は「一人一人がしっかりといい走りができれば勝てる」と2連覇を誓う。その言葉を証明するかのように北九州大会では個人の400メートルで冨永が優勝し、同じく昨年のマイルリレーメンバーの庄籠大翔(2年)が2位のワンツーフィニッシュ。400メートル障害では渕上翔太(同)が51秒20の大会新で制した。「400メートルそのもののスピードを磨いた」と今年はリレーメンバー入りも果たし、北九州大会の優勝にも貢献。全国総体では2冠を狙う。

 5月末の県大会では男子で1600メートルリレーを制したばかりではなく、400メートルリレーも40秒57の大会記録で制し、個人の短距離、障害全種目の頂点を独占。強さを証明した。

 陸上の全国総体の出場権は県大会を1次予選とし、北九州大会で決まる。個人種目で日本一を狙う選手は調整目的で出場権をつかむだけのレースもできるが、同校の植木貴頼監督は「大会で走れることに感謝を込めて一本一本を全力で走るように指導しています。(順位を確認するために)横を向いてゴールするように教えていません」と全力疾走を求める。

 「いろんな人に気を配り、感謝の気持ちを持って生活する。人間的に成長できるので東福岡に進学しました」と庄籠が言うように、これが近年、同校に有力選手が集まる理由にもなっている。

 部のモットーは走る姿に心が表れるという意味の「走姿顕心」。植木監督は「100点の走りではなく、常に100%で走る。今年の3年生は入学したときからコロナ禍で大会や学校活動が満足にできなかった。だから、大会への感謝の気持ちはより強い」と言う。全国総体の陸上競技は徳島県鳴門市で8月上旬に開催。集大成の全力疾走で強さを見せる。

福岡大若葉、笑顔のバトンを

 福岡県大会の女子1600メートルリレーは福岡大若葉が中村学園女子との接戦を制し、大会記録の3分46秒33で初優勝を果たした。4走の林心春(2年)は「あわよくば1位と思っていたレースで、あんないいタイムが出るなんて」と驚いた。

 その後の北九州大会でも力を示した。1600メートルリレーは3分45秒95の好タイムを出した中村学園女子に敗れて2位になったが、3分46秒10と県大会の記録を上回った。柴藤凛(2年)が100メートル、林が400メートルを制すなど各種目で上位に食い込み、女子の学校対抗得点では1位に輝いた。

 リレーメンバーで三段跳びと400メートル障害が専門の副島珠華(3年)が「中学で陸上をやめるつもりだったけど、最後の(中学の)大会の結果が悔しすぎたので」と言うように、中学時代に全国レベルで実績を残した選手はほとんどいない。中学の指導者として、東京五輪の男子50キロ競歩に出場した勝木隼人や男子三段跳びで日本選手権を制したことのある岡部優真氏と複数種目で好選手を育てた中本恭子監督の下で地道に力を付けた。

 全国総体に向け、1600メートルリレーで1走を務める田中愛美(同)は「笑顔で仲間たちと高め合っていきたい」と完全燃焼を誓った。