福岡県桂川町寿命の国特別史跡王塚古墳で、出土した埴輪(はにわ)の破片をつなぎ合わせるなどして、円筒埴輪を復元する取り組みが進んでいる。町教育委員会によると復元中の埴輪は高さ1メートルを超え、九州で発見された円筒埴輪では最大級になる可能性があるという。復元途中の埴輪は、19、20日の古墳特別公開の際に初めてお披露目される。

 王塚古墳は全長約86メートルの前方後円墳で、築造は6世紀前半とみられる。石室の壁画には赤、黄、緑などで騎馬や盾、文様が描かれ、日本三大装飾古墳の一つとされる。1934年に発見された。

 王塚古墳では82年から5年間と2001年に発掘調査が行われ、約2万点の埴輪の破片を発見。古墳に隣接する王塚装飾古墳館が長らく所蔵している。

 「いつか埴輪を復元したい」。町教委社会教育課の長安慧さん(31)を中心に、古墳館職員らが太古の文化を現代によみがえらせようと20年に破片の整理を開始した。破片に付いた泥を洗い流したり、土の素焼きのため、もろい破片の強度を強くする薬品に付けたりと地道な作業を続けた。22年ごろからは破片をパズルのように組み合わせていき、埴輪の形が見えてきた。

 側面にはいくつかの丸い穴があり、古墳の頂上近くに周囲を囲むように置かれていたとされる。一般的に円筒埴輪は大きくても高さ80センチほど。復元中の埴輪と同程度のサイズは、岩戸山古墳(八女市)や中ノ城古墳(熊本県)で見つかっており、「九州のトップに近い勢力を誇った者が王塚古墳にいたかもしれない」と長安さんは推測する。

 復元は本年度中に完了する予定。長安さんは「ほかの埴輪も復活させて王塚古墳の被葬者の具体的な姿を明らかにしたい」と力を込める。

 (岩崎さやか)

4月19、20日に石室内を特別公開

 王塚古墳は19、20日、春の特別公開を実施する。石室内の色鮮やかな壁画を間近に見ることができる。

 王塚装飾古墳館近くの広場ではマルシェを開催。ピザや焼き菓子、野菜販売など両日で計14店が出店する。キャンドル作りや、勾玉(まがたま)作り(20日のみ)体験も楽しめる。

 桂川町役場と古墳館を結ぶ無料シャトルバスが20分おきに運行する。特別公開見学は現地で受け付けが必要。午前9時半〜午後4時。問い合わせは古墳館=0948(65)2900。

 両日、筑豊地区では竹原古墳(宮若市)や沖出古墳(嘉麻市)なども公開される。