6回1死満塁、中前適時打を放つ笹川(撮影・永田浩)

 近藤、柳田、周東、今宮。不動のレギュラー陣が相次ぐ故障禍で戦線離脱中のソフトバンク。しかし裏を返せば、それは若手たちにとっての大チャンスでもある。

 「プロは年間を通してやるのが難しい。でも一時でも活躍を見せないとノーチャンス。一瞬でも通用している姿を見せないと」と小久保監督。その期待に応える一人が4年目で28歳の野村だ。

 右肘付近に死球を受けた正遊撃手の今宮が出場選手登録を外れた1日から遊撃を託され、そこからの8試合で31打数13安打の打率4割1分9厘。3安打の活躍だった9日は同点の五回1死三塁でエスピノーザのスライダーを左前へ運ぶ勝ち越しタイムリー。「必死に食らいつこうという気持ちがヒットにつながりました」と納得顔だ。

 打者12人の猛攻で今季1イニング最多の9点を奪った六回には、5年目で22歳の笹川が1死満塁でフルカウントから中前へ運んだ。「吉康(笹川)も2ストライクアプローチをした。それ以外の(凡退した)打席はいただけませんけど」。小久保監督は苦言を交えながらも評価した。

 今季最多タイの11点で、昨年9月からオリックスに2分けを挟んで12連勝。4位タイに浮上も「まだ順位表も見たことがない」と小久保監督はかわしたが「パ・リーグは団子。自分たちの戦いの形をつくっていく段階」と今後を見据える。若手の底上げと、主力の復帰が合わさったとき、2025年の“形”はとてつもない力を持つのかもしれない。