1990年に始まった雲仙・普賢岳の噴火活動で形成された溶岩ドーム「平成新山」(標高1483メートル)の防災視察登山が12日あり、自治体や消防、警察などの関係者85人が参加した。最初に溶岩が噴出した地獄跡火口の真上には、溶岩が冷え固まった「岩尖(がんせん)」がそびえ立ち、岩石の隙間から白い噴気が上がっていた。
登山は島原市と九州大地震火山観測研究センターの共催で、春と秋の年2回行われている。一行は雲仙ロープウェイの妙見駅を出発。途中から、立ち入りが制限される警戒区域に踏み入った。山頂に向かう急な斜面はマグマが冷えて固まったデイサイト(石英安山岩)に覆われていた。岩石が積み重なった不安定な足場をよじ登り、登山開始から3時間ほどで登頂した。
研究センターによると、岩尖付近の噴気温度は約90度。ガイド役を務めた松島健教授(65)は「30年前は700度はあった。2011年ぐらいに100度を切り、順調に下がっている。近年は90度前後で変化はなく、火山活動は落ち着いて静穏な状態だ」と話した。
普賢岳は90年11月、198年ぶりに噴火した。91年5月には溶岩ドームが出現。ドームは成長とともに崩落を繰り返し、その崩落の際に生じる火砕流で同年6月3日に43人が犠牲となった。96年6月に噴火は終息。平成新山と命名された溶岩ドームは、雄大な雲仙岳の景観の一部となっている。
もろくなった溶岩ドームは不安定な状態で、地震や風化による崩落の恐れがある。島原市を含む島原半島の3市は災害対策基本法に基づく警戒区域を設定しており、許可がないと登山はできない。
(本山友彦)


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