昔懐かしいスマートボールで遊ぶ小学生当時のおもちゃなどが飾られた駄菓子店の店内

 今年は「昭和100年」の節目でもあり、昭和に生まれたさまざまな文化やモノへの関心が高まっている。北九州市門司区の観光文化施設「関門海峡ミュージアム」では、当時を彩った逸品に触れたり、遊びを体験できたりする企画展「レトロのあそびとおもちゃ展」が8月31日まで開かれている。会場を訪れ、古き良き時代にタイムスリップした。

 企画展は、同ミュージアムが昭和100年の節目を記念して発案。会場に展示されている5千点の品々のほとんどが、大分県豊後高田市の観光施設「駄菓子屋の夢博物館」の小宮裕宣館長(76)のコレクションだ。ミュージアムが、40万点を超える収蔵品の一部を借りられないか打診すると、小宮氏は「倉庫に眠るより、人に見てもらう方がいい」と快諾したという。

 会場に足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのは往年の名車「スバル360」。愛らしい見た目から「テントウムシ」と呼ばれたという。名車を通り過ぎると、鉄人28号や鉄腕アトムなどキャラクターのフィギュアやブリキのおもちゃ、アイドルグッズ、レコード、昭和に発売された少年漫画雑誌、文具、お弁当箱などを鑑賞できる。幼児たちは、おもちゃを載せて走る大型鉄道模型(Gゲージ)にくぎ付けだった。

アニメのフィギュアに並んで、会場に展示されている昭和の名車「スバル360」

 マニア垂ぜんの“激レア品”も。ウルトラマンシリーズの怪獣「カネゴン」の等身大フィギュアは暗くなると光る蓄光性の素材でできている。「蓄光性のカネゴンは世界に3体しかない」と小宮氏。

 会場の一番奥にある駄菓子店も見どころの一つだ。店前にはダイヤル式の赤電話が設置され、木製の塀にはホーロー製の広告看板が貼られている。「昭和30〜40年代の雰囲気をできるだけ忠実に再現した」(企画展関係者)。店内のガラスケースには当時の子どもたちが夢中になったメンコやキャラメルのおまけなどが収納されている。60代男性はケースを見ながら「昔、メンコの名人だったんだ」と自慢げに話していた。

会場には昭和の駄菓子店を再現したスペースも

 駄菓子店のほかに学校の教室やお茶の間を模した空間がある。福岡市博多区から来場した会社員の豊坂良美さん(44)は「レトロな感じがかわいくてたまらない」と喜んだ。

 昭和の遊びを体験するコーナーも人気だ。スマートボールやフラフープ、おはじきなどが体験でき、祖母と一緒になってお手玉に興じる小学生の姿もあった。土、日曜日には飛行機模型などを製作する「ものづくり体験」教室も開かれている。企画展をプロデュースした松岡忠夫さん(72)は「昭和の遊びはみんなで楽しむものばかり。コミュニケーションがあるから楽しいんです」と魅力を語る。

「ものづくり体験」コーナーで工作を楽しむ子どもたち

 昭和という時代は、当時を生きたシニア世代のみならず、若い世代も引きつける。松岡さんは「中高年は懐かしいと喜び、若者にはレトロが新鮮に映っている。企画展では、それぞれの昭和を発見してもらいたい」と話している。

 (井崎圭)

 関門海峡ミュージアム 北九州市門司区西海岸1丁目3の3。午前9時〜午後5時。海峡アトリウムなど有料エリアへの入場は大人が500円、小中学生200円。問い合わせは同ミュージアム=093(331)6700。
 レトロのあそびとおもちゃ展 観覧料は大人500円、小中学生200円。「ものづくり体験」教室は土、日曜日の午後1時と2時から開催されている(各回先着6人)。