韓国・釜山市議会で6月成立した、従軍慰安婦問題を象徴する少女像を同市が管理、保護する条例の運用を巡り、混乱が続いている。最近になって市当局が、日本総領事館前の少女像は道路法に違反しており「公共物に指定して管理することはできない」との見解を明らかにし、市民団体などが反発している。

 関係者によると、市民団体が市に像を寄付すれば、公共物扱いに変わる可能性もあるが、一度は像を撤去したことのある市側への不信感から、市民団体は移転を恐れ寄付に慎重という。ソウル市にも似た条例があるが、団体所有のまま市が管理する点で違いがあり、像が守られやすいとされる。釜山市がソウル方式に倣うには、また条例改正の手続きが必要というのだ。

 市議会はこの問題を審議しないまま条例可決を優先した。ただ、韓国の新政権も像の扱いをどうするか立場を表明しておらず、日韓合意の履行を巡る責任の一端について、自治体だけが注目を集めるのもおかしい。

 釜山市の対応の揺れから、必ずしも少女像設置に賛成の市民だけではないという見方もできるが、この混乱がいつまで続くのか全く見通せない状況だ。