◆オープン戦・ソフトバンク5―1広島(21日、みずほペイペイドーム)

 ファンは待ち望んでいた一発だった。ソフトバンクの山川穂高内野手(33)がオープン戦1号となる2ラン本塁打を放った。2点リードの5回2死二塁。左腕高橋昂也の内寄りカットボールを振り抜くと、打球は切れずに左翼ポール際に飛び込んだ。

 山川自身にとっては、結果は関係ない。開幕前は打っても打たなくても同じ、とかねて繰り返してきた。この日の試合後も、「全打席よかったんじゃないですか。その後も含め、結果よりは内容。フォルムというか、ファウルの打ち方、空振りの仕方は良くなってきてる感じはある」と変わらぬ感想だった。

 それ以上に開幕時点の〝スタイル〟が前日に固まったことへの充実感の方が大きい。「昨日おとといまでは試していましたけど、一区切りというか。打つか打たないかは分からないですけど、打てなくてもいったんはこの形で。今年のスタートはこの形でいきますってのは固まりました。決まりです」

5回2死二塁、左翼席に2ランを放つ山川(撮影・穴井友梨)​​

 通算252本塁打を誇る大砲が重視しているのは、打撃の型。構えに加え、重心の位置、目線など複数の確認事項をこの期間に試しつつ、一つ確立することを目指していた。山川は「最初こうやってやるってある程度決まっていないと打席で迷っちゃうので。」とその理由について明かす。20日の全体練習では、フリー打撃のゲージを出た後、打撃を録画したタブレットをじっくり見て振り返る場面もあった。自らの感覚などとすりあわせ、〝2025年式〟が固まった。

 山川は「去年の感覚とは全く別ものの意識で新しく臨んでいくっていうのは、決まりです」と語る。昨季も本塁打王と打点王の2冠に輝いたが、毎年成長しなければいけない。そんな思いが表れたスタイルが見える形で現れたホームランだった。(鬼塚淳乃介)