装備が簡略化されたことで車重が通常グレードより20kgも軽い975kgだったフェアレディS30SZ。

 軽量化されたおかげでスタートダッシュなどが良く、あえてS30Sを選ぶオーナーもいたようである。また、ワーナータイプのシンクロを持つ4速ミッション(F4W71A)は、Z‐Lに採用されたポルシェタイプのシンクロを持つ5速(FS5C71A)に比べ、カチっとしたシフトフィーリングが好まれることもあった。

 今回紹介する大塚覚さんのS30Sは、車体番号が1600番台の1970年式だ。

 購入当初は、L28型エンジンに換装され、ミッションも5速に変更、構造変更を受けて3ナンバー登録となっていた。ただし、車検証の車両重量が975kgだったため、初期型のS30Sと確信し、フルノーマルの状態に戻すことを決意したのだ。

 ノーマルに戻すためには、エンジンをはじめ、貴重な4速ミッションなどを新たに入手するしかない。そこで大塚さんが相談を持ちかけたのが、L型チューンの老舗「SS KUBO」だ。

 数多くのL型エンジンをチューニングしてきたSS KUBOにとっても、初めての依頼であったが、ストックしてあったL20型エンジンと4速ミッションを引っ張り出し、OHして換装。構造変更を受け直して、めでたく5ナンバーに返り咲くことができたのだ。

「販売されたZの90%以上がZ‐Lだったので、S30Sを探すのに苦労しました。手に入れたい部品がなかなか見つからなく、高価だったりして思うように進みません」と大塚さん。今後も少しずつ手を入れながら、若い時に憧れたフェアレディZを楽しむそうだ。

販売されたZの90%以上がZ‐L。希少グレード。全ての画像を見る