【1972年式 カワサキ 900スーパーフォア  Vol.1】

 日本初のビッグバイク、ホンダCBナナハンに続いてカワサキが世界戦略車として発売したのがZ1だった。ホンダCBをしのぐ動力性能と完成度で、その後も人気モデルであり続け、誕生40余年の今も、元気に世界中を走り回っている。


 日本ビッグバイク史のスタートが1968年に登場したホンダCB750フォアならば、日本車で世界の頂点に君臨したのは、1972年のカワサキ900スーパーフォア、つまりZ1だ。

 CBは、当時まだGPマシンにしか見られなかった並列4気筒エンジンを量産市販車で初めて実用化。4連キャブレター、ディスクブレーキ、最高速200km/h以上など、次々と常識を塗り替え、それまで世界最強の座にあった英国車たちを一蹴してみせた。

 その一方で、もう1台の日本製ビッグバイクが誕生しようとしていた。アメリカ市場に、500SSマッハⅢというメインモデルを持つカワサキが、次世代向けのニューモデルとして4気筒の750ccモデルの開発をスタートさせていたのである。

 それが、コードネームN600。1968年に試作エンジンが完成、1971年のデビューを目指すプロジェクトだった。しかし1968年10月にホンダCB750フォアがデビューしたことで、同じ4気筒、同じ排気量で2番煎じと見られることを嫌ったカワサキは、N600の性能目標を上方修正し、排気量を900ccに、ゼロヨン加速や最高速度も、CBを上回るものとして開発を進めたのだ。

 そして1972年6月、カワサキは900スーパーフォア(=Z1)を発表。CBのボリューミーなスタイリングに対して、Z1はスラリとした造形とし、エンジンはDOHCを採用。CBのすべての走行性能を上回るということは、そのまま世界ナンバー1であることを意味し、ここに世界最強バイクの世代交代が巻起こったのである。

フロントシングルディスクをダブルとし、キャリパーをアフターマーケットのものに交換したブレーキなど【写真7枚】


1972年式 カワサキ 900スーパーフォア(Z1)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 2200×865×1170
ホイールベース(mm) 1490
シート高(mm) 813
エンジン型式 空冷4ストローク並列4気筒 DOHC8バルブ
総気量(cc) 903
ボア×ストローク(mm) 66×66
圧縮比 8.5
最高出力(ps/rpm) 82/8500
最大トルク(kg-m/rpm) 7.5/7000
燃料供給装置 キャブレター VM28
クラッチ形式 湿式多版
ミッション リターン5速
フロントサスペンション テレスコピック
リアサスペンション 2本サスペンション
ブレーキ前/後 シングルディスク/ドラム
タイヤ前/後 3.25-19/4.00-18
燃料タンク容量(L) 18
乾燥重量(kg) 233
発売当時価格 −(輸出車)



【2】に続く