【1978年式 日産 フェアレディ Z-T Vol.2】

 それをここまでの極上ボディによみがえらせるきっかけとなったのは、当時弱冠16歳だったオーナーの息子さんの存在が大きい。走り仲間いわく、「とにかく手先が器用で、親父譲りの天才肌」という彼は、親父たちがはじめたレストア作業を見よう見まねで手伝った。周囲の大人たちとしては、若者にクルマに興味を持ってもらいたい、という思いがあったのかもしれない。しかも、彼が親父以上に頑固な職人肌であったことだ。
「やり始めたら、とにかく妥協しない。中途半端が嫌いみたい。まわりがこれくらいでいいと納得することも、気に入らないと最初からやり直すんです」。
 結局、ボディのレストア作業の大半は、息子さんが手がけることに。
 色褪せた塗装は総剥離の後、フルブラスト処理。穴が開いたフロアやボディは鉄板を切り取って、ひとつずつ丁寧に修復した。ダッシュボードのひび割れもキレイに直し、燃料ラインやハーネスもすべて引き直している。
 まだ運転免許もない少年が、電気工事を営む自宅のガレージで、こうした作業をやってのけたというのだから恐れ入る。家業を手伝うようになってからも、本業である電気工事の仕事の合間をみてはレストア作業に取り組み、かれこれ4年もの歳月をかけて、新車以上のボディによみがえらせてみせた。
「あまりにもキレイに仕上がったんで、走らせるのがもったいなくなったというのが正直なところ。今はもう1台違うベース車を用意して、そちらをゼロヨン用に仕上げようと路線変更です」とオーナー。そのため、ガレージの奥には、ドンガラの状態にされたもう1台の130Zが佇んでいた。

20年前の計測で368psをマークしたL28型3L仕様。基本はその当時のままOHし、キャブはOERφ47mmを装着。ゆくゆくはスポーツインジェクション化の予定のエンジンなど【写真41枚】


1978年式 日産 フェアレディ Z-T(S31)
●エクステリア:FRPフロントスポイラー/ボンネット、丸源商会製FRPドア/リアゲート/オーバーフェンダー、パーツアシスト製テールランプ、マーシャル製ヘッドライト、サベルト製トーループ
●エンジン:L28型改3.0ℓ仕様、ホンダXL500用鋳造ピストン、L14型用コンロッド、ニスモ製オプションクランクシャフト、バルブ軽量加工(IN:φ44㎜、EX:φ35㎜)、柿本改製バルブスプリング、純正オイルパン容量アップ加工、アルミ製ワンオフエンジンマウント、ワンオフオイルキャッチタンク
●吸排気系:OERφ47㎜キャブレター、ワンオフφ42.7㎜ステンレスタコ足(6-1集合)、ワンオフφ80㎜ステンレスマフラー
●点火系:ダイレクトイグニッション化、RB型用純正ECU
●冷却系:トラスト製アルミ3層ラジエーター、電動ファン追加
●燃料系:ステンレス製ワンオフ燃料タンク、S13用燃料ポンプ、燃料ライン引き直し(アルミ)
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、240ZG純正ミッション、R200デフ(ファイナル4.7)、アルミ製ワンオフミッション&デフマウント
●足回り:ブリッツ製改ワンオフ車高調、調整式フロントロワアーム、調整式リアロワアーム、240ZG用リアスタビライザー流用、ワンオフタイロッド
●ブレーキ:(F)DC5用ブレンボ製キャリパー流用、S2000用ローター、(R)PS13用キャリパー流用、ブレーキライン引き直し(スチール)
●タイヤ:(F)ヨコハマ アドバンA050 205/50R16 (R)ブリヂストン ポテンザRE11-S 225/45R16
●ホイール:RSワタナベ 8スポーク (F)16×8.5J (R)16×9.5J
●内装:MOMOバックスキンステアリング、オートメーター製追加メーター(タコ、スピード、油圧、水温、燃料)、ブリッド製ジータⅢスポーツC、オリジナルハーネス、開口部スポット溶接追加



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