フェアレディという車名は、日産のスポーツカーの名前として、今なお、さん然と輝いている。そのルーツは、1959年6月に登場したダットサン・スポーツ(S211)にさかのぼる。翌60年1月にエンジン排気量を1Lから1.2Lにアップ。ダットサン・フェアレデーの車名が与えられ、輸出専用モデル(SPL212)として生産が続けられた。その後のSP/SR、S30フェアレディZと、国産スポーツカーの雄として、多くのファンを魅了したクルマであることは、皆がよく知っている。そんなフェアレディ各モデルを、個体それぞれが持つ「物語」と一緒に、振り返っていこう。

【日本の至宝、フェアレディ。誕生から初代Zまで Vol.2】

【1】から続く

 1969年10月、モデルチェンジを機に車名をフェアレディZに変え、ロングノーズの流麗なクーペボディをまとった。型式はS30だ。メカニズムも一新し、走りの実力を大きく高めている。サスペンションは前後ともストラットの4輪独立懸架、パワーユニットは上質な2Lの直列6気筒を搭載した。ZとZ−Lが積むのは日産を代表する1998ccのL20型SOHCだ。ホットバージョンのZ432と競技ベース車両のZ432・Rは、スカイラインGT-Rと同じ1989ccのS20型DOHC4バルブを積んでいる。

 日本のフェアレディZは2Lエンジンを積んでいた。これに対し海外向けのダットサン240Zは、排気量を2393ccに拡大したL24型直列6気筒SOHCエンジンを搭載する。多くのファンがあこがれた240シリーズを日本市場に投入するのは1971年10月だ。その頂点に立つのは、グランドノーズとオーバーフェンダーを採用して精かんさを増した240ZGである。

 1973年9月、商品性向上のための改良を行い、10月の東京モーターショーにはリアシートを備えた2+2モデルを参考出品した。気になる心臓は2565ccのL26型直列6気筒だ。発売が期待されたが、ショーの最中に第一次オイルショックが襲来し、日本での発売を断念する。1974年1月、2by2を設定したが、エンジンはL20型だ。

 1975年には電子制御燃料噴射装置のEGIを装着して昭和50年排ガス規制をクリアしたL20E型エンジン搭載車を設定している。スポーツカーの歴史の中にさん然と輝く栄光を手にし、今も新しい記録を刻み続けている名車、それがフェアレディだ。


>>【画像10枚】1960年10月発売のフェアレデー1200(SPL213)や、1967年3月誕生のフェアレディ2000(SR311)など、誕生から初代Zまで

1969年10月 初代「Z」シリーズ誕生 フェアレディZ 432(PS30)


オープンカーのフェアレディ1600/2000の後継車として、クローズドボディのフェアレディZ (S30)が登場。グレードはL20型エンジンに4速MTを組み合わせたベーシックなZと、これをベースに5速MT、AMラジオカーステレオ、ストップウオッチ付き時計、リクライニングシート、パッシングランプ、助手席フットレストなどを装備したZ-Lがある。また、高性能モデルとしてスカイライン2000GT-R譲りのS20型DOHCエンジンを搭載したZ432(PS30)を用意。Z432をベースとしたコンペティションモデル、Z432・Rがレース参戦を前提にしたユーザーだけに販売された。


1970年10月 Z-Lにニッサン・フルオートマチック付き車追加 
       全グレードにレギュラーガソリン仕様車設定

それまでハイオクガソリンのみの設定だったが、レギュラーガソリン仕様を追加。L20型で最高出力が130→125ps、最大トルクが17.5→17.0kg-mに、S20型では160→155ps、18.0→17.6kg-mに抑えられている。


1971年3月 Zにニッサン・フルオートマチック付き車追加


1971年10月 マイナーチェンジ
リアハッチのウインドー下にあったエアアウトレットがクオーターパネルに移設。ステアリングスポークが穴あきのものに変更された。
240Z/240Z-L/240ZG 追加発売


輸出用モデルに搭載され、国内レースや海外ラリーでその性能が実証されたL24型(2393cc、150ps、21.0kg-m)搭載のモデルを追加(HS30)。イメージリーダーとなる240ZGはFRP製のグランドノーズとオーバーフェンダーを装着し、空気抵抗の軽減で最高速度が210km/hと240Z、240Z-Lよりも5km/h上回っている。

1973年10月 マイナーチェンジ


外装ではテールランプ。リアガーニッシュのデザイン変更。バックランプが独立し、リアガーニッシュ内に配置された。また、内装ではダッシュボード、センターコンソールなどが変更。リアウインドーの熱線は縦から横に改められた。
Z432/240Zシリーズ国内販売中止

1974年1月 Z/Z-Lに2by2設定 

全長を310mm延長し、後席を設けて4人乗りにした2by2が登場(GS30)。シート地は2by2では平織り布地になる。グレードはZとZ-Lの2種類で、L20型エンジンをはじめとしたメカニズムは2シーターに準ずる。


1975年9月 一部改良で昭和50年排ガス規制に適合

環境問題に対する関心の高まりから、排ガス規制が制定された。これに対応するため、全車キャブレターから電子制御燃料噴射装置(ニッサンEGI)に変更したL20E型(130ps、17.0kg-m)を搭載。排ガス浄化システム(NAPS:ニッサン・アンチ・ポリューション・システム)を装備する。

1976年7月 マイナーチェンジでS31へ フェアレディZ-T(S31)

昭和51年排ガス規制に合わせてNAPSを改良。この時、型式が30から31に変更された。

Z-T/Z-T2by2設定

Z-Lよりもさらに装備を充実させたZ-Tが追加発売された。Z-Lをベースに、FM/AMマルチラジオカセットステレオ、スポットランプ、電動式リモコンミラー、パワーウインドー、アルミホイールを装備している。

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年10月号 vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


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