【L型チューン炸裂!】  1965年にL型エンジンがデビューして、今年で52年。70〜80年代にはL型チューンが全盛期となり、各地でスペシャルなL型チューンドエンジンが製作された。そして現在も、まだまだL型チューンへの挑戦は続いている。エンジン内部のパーツはヘッドやブロックの加工精度も格段にレベルアップ。さらに、ダイレクトイグニッションやインジェクションシステムによる緻密なセッティングによって、ピークパワーは400psオーバーとなった。そんな心躍るL型チューンドを紹介!  


>>【画像41枚】バリエーション豊かなチューンドエンジンが搭載されたフェアレディZ、スカイライン、ブルーバードなど

1975年式 日産フェアレディZ TC24-B1

ノブちゃんS30Z製作記

エンジンのスペックは、トミタクオリジナルのスペシャルだ。ボアφ89mm×ストローク79mmの3L仕様だが、圧縮比は13.6に設定。というのも、これまではフラットな形状のピストンを使っていたが、今回は三角形のピストントップを採用し、圧縮比を高めている。さらに、コンロッドにはカーニングハム製のチタンコンロッドを採用しているのもポイント。VG30DETT型用のコンロッドメタルを使用し、日産レース用オプションのLYクランクと組み合わせている。

1972年式 日産 フェアレディ 240ZG L28[3.1L]TWIN TURBO

1972年式 日産 フェアレディ 240Z

アルミのワンオフサージタンクとオレンジのターボ用カムカバーが織りなすコントラストが、強烈なパワーを物語るエンジンルーム。いかにも剛性の高そうなマンディ製ストラットタワーバーによって、サーキット走行でも安心できるそうだ。サージタンクとブロックの間のインテークマニホールドには、サードの720ccインジェクターを配置。インジェクターの燃料デリバリーパイプなどもワンオフで製作されている。点火はRB型エンジン用のダイレクトイグニッションを流用。ベースプレートをワンオフ製作し、配線類がキレイにまとまるようにセット。純正デスビを取り外し、RB型用のクランク角センサーを装着。ターボ化で重要な点火時期のセッティングも可能だ。
 
 
1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X L28[3.1L]

1972年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X

ネイビーブルーのカムカバーとゴールドアルマイトのファンネル。この組み合わせからして、誰のマネでもないことを主張するL28型改3.1Lエンジン。武骨なストラットタワーバーはマンディ製のワンオフ。フレームとつなげるステーも追加されており、剛性アップが図られている。RSハラダのインマニに、ソレックス50PHHを装着。カールファンネルは浦田商会製。ピロアッパーマウントの角度、タワーバーから伸びるピロロッドにも注目だ。サイドタンク方式のワイドなワンオフラジエーターをはさむように、手前にブローバイタンクを、奥側にリザーバータンクを設置した左右対象となるレイアウトが美しい。もちろんこれらはマンディによるワンオフ物。オイルフィラー部分も加工されていて、六角レンチ仕様のキャップが装着されている。イグニッションコイルとしてMSDのブラスターSSを設置。
 
1971年式 日産フェアレディ 240ZG L28[3.0L]

1971年式 日産フェアレディ 240ZG

不要な配線やステーは排除し、必要な配線もなるべく隠してセットアップ。溶接痕はパテで埋めてスムージングを行い、ボディ同色に仕上げる。まるで製作途中かと思えるほど配線や配管が見当たらないが、これで完成状態。究極のシンプルさだ。OERのスポーツインジェクションは、φ45mmとφ47mmのラインアップの中から、大口径のφ47mmを選択。インジェクターは4ホールの380ccを用いている。アクセルワイヤーの取り回しなどは、ツモリエンジニアリングが得意とするところ。今回は横方向に動くシステムとなっている。ダイレクトイグニッション化に伴い、アルミ削り出しでベースを製作し、デストリビューターに代わってクランク角センサーを搭載。このあたりの加工も美しい。ラジエーターはコンパクトなジムニー用のアルミ3層を採用し、リザーブタンクもアルミで製作。メンバーより前側にセットすることで、エンジンルーム内をシンプルに。
 

1972年式 日産 スカイライン 2000 GT L28[3.1L]

1972年式 日産 スカイライン 2000 GT

エンジンルームは差別化されている印象が強い。それもそのはず、MSRキャブ、補機類のヒドゥン、US製パーツの多用など、独自のアレンジが仕込まれているのだから。6連装されているのは、USミクニが開発したMSRキャブ。φ48㎜は、国内向けのTMRキャブには設定のない特大サイズで、トップカバーを赤く塗装しているのはヨシムラの仕様をイメージ。配管類のレイアウトも美しい仕上がり。刻まれた「まつおか」の平仮名が示すとおり、インマニはまつおかがMSR用に製作したもの。アメリカから取り寄せたサイドタンク式のアルミラジエーターを囲むファンシュラウドは、マッスルカージャパンによるワンオフの品。上下2分割式なので、整備性も高い。
 

1975年式 日産 フェアレディZ L28[3.1L]

1975年式 日産 フェアレディZ

このエンジンが積まれていた前のZでも行われたワイヤータックの技法をここでも踏襲。サイドを貫く補強パイプとともに、美しさこのうえなし。サブライブのドライカーボン製インダクションボックスは、製作第1号となる試作品を採用。組み合わせたエアクリーナーはHPI製だ。インダクションボックスを外してみる。ファンネルが6個並んだ左下に見えるのが、吸気温センサーだ。吸気セクションはTWM製φ50mmスロットルボディとトヨタ1JZ型用インジェクターを組み合わせている。ブローバイはタンクをつけたくないことから、直接サージタンクへと戻す。通常はインダクションボックスに隠れて見えない、和光の初期物6-1集合のタコ足。ヒート対策のためにバンテージが巻かれているが、集合部分にはキレイな焼け色が付いている。
 
1970年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1600 DX L16[1.7L] 

1970年式 ダットサン ブルーバード 4ドア 1600 DX

排気量を1711ccに拡大したL16型ユニットは、圧縮比を11.8までハイコンプ化することで、俊敏なレスポンスを手に入れた。ヘッドカバーは初期型のSSSのみに採用されていたといわれる通称「ブッチャーヘッド」だ。キャブレターはソレックス44PHHで、タコ足からの熱気によるパーコレーションが起きないように遮熱板が装着されている。点火方式は純正デスビを加工し、フルトラへと変更。安定したスパーク性能を手に入れている。3層ラジエーターはカップリングファン付きで冷却効果もバッチリ。グリル内にはオイルクーラーも追加されており、オーナーが希望していた「夏場でも安心して走れる仕様」を見事に達成した。
 
1982年式 日産 フェアレディ 2000 ターボ Z-Tバールーフ L28[3.1L]TWIN TURBO

1982年式 日産 フェアレディ 2000 ターボ Z-Tバールーフ

L28改3.1Lにツインターボで加給する。前置きインタークーラーはトラストの4層タイプをチョイス。吸気温度の低減を図る。インタークーターからの2本のサクションパイプがエンジンの真上を通るレイアウトは関西のショップが手がけたと思われる。過給圧を1.2kg/㎠に上げれば600psも期待できるとか!? ウエーバーに吸入空気を導くサージタンクはワンオフ。さらに、キャブレターに向けて3本のインジェクターが追加されているのが分かる。タービンは1基で400ps~600psの風量を備えるIHIのRX-6 TCW76。これを2基掛けしているといえば、並々ならぬ仕様であることも理解できるはず。ターボパワーが炸裂する4000rpm以上の加速はすさまじく、ボディがよじれるのが分かるという。タービンへの排気ガスの流入量を調整するためのウェイストゲートを装着。大気開放サウンドが味わえるのもビッグタービン仕様ならではの魅力だ。