日本製オートバイが世界一の座につくまで、その位置には、英国車がいた。
英国車に追いつき、追い越せ、それが日本製オートバイの進化への合言葉。
その英国車のトップにいたのがトライアンフだ。
ボンネビルは、最高峰モデルのネーミングである。

【1962年式 トライアンフ T120R ボンネビル Vol.3】

【2】から続く

 今回の取材車両は、空冷2気筒シリーズの最高峰ともいえるT120Rで、中でも最強モデルだけに与えられた「ボンネビル」のペットネームを持つ車両だ。プリユニットと呼ばれるエンジン/ミッション別体の最終モデルだ。

 一方、戦後の日本車といえば、1947年に自転車に2ストローク50ccの補助エンジンを装着したホンダ初の市販2輪車、バタバタこと「ホンダA型」が発売されたばかりで、イギリス車との技術差は明らか。当然のように、日本のオートバイメーカーはイギリス車やドイツ車を真似、いや海外の先達を範に技術的進歩を図るわけである。

 エンジン形式はもちろん、フレーム構造、サスペンションにいたるまで、島国で、日本に似た山岳地が多いイギリスのオートバイを参考にしたのは必然だった。日本車は、さらにオリジナルのアイデアを加えて、世界一の完成度を持つにいたるのである。

 高性能化を極めては、再び原点に戻ることを繰り返して進化を続ける日本製オートバイ。その時、いつも立ち帰るのはオートバイの原点ともいえる、美しい姿。そこにイギリス車の影を感じることは少なくないのである。


>>【画像11枚】最高傑作ともいわれる1962年式。この車両は発売当時に日本に輸入され、ずっと登録されてきた当時モノ。初度登録は「昭和37年」のトライアンフ・ボンネビルなど


【1】【2】から続く


SHOP DATA/タイムトンネル

東名高速の用賀インターからバイクで5分、環8沿いにショップを構えるタイムトンネル。日本の旧車販売の草分けで、主に70年代のCBナナハンやZ1/Z2シリーズ、マッハやKH、ヨンフォアの他、トライアンフやBSA、ドゥカティなどの輸入車も扱う。


1962年式 トライアンフ T120R ボンネビル
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 2180×750×1050
ホイールベース(mm) 1375         
エンジン型式 空冷4ストローク
並列2気筒OHV4バルブ
排気量(cc) 649
ボア×ストローク(mm) 71×82
圧縮比 8.5
最高出力(ps/rpm) 46/6500
最大トルク(kg-m/rpm) −/−
燃料供給装置 アマル・ツインキャブレター
クラッチ形式 湿式多板
ミッション 4速
フロントサスペンション テレスコピック
リアサスペンション ツインショック
ブレーキ前/後 ドラム/ドラム
タイヤ前/後 3.25-18/4.00-18
燃料タンク容量(L) 18
車両重量(kg) 178
発売当時価格 不明