【プリンスと日産】
スカイラインは日本のクルマ好きにとって、特別なブランドであることは間違いない。
1957年4月、富士精密工業のセダンとして初代プリンス・スカイラインがデビュー。
61年2月に社名をプリンス自動車工業に変更した後は、名実ともにプリンスの屋台骨を支える主力モデルとして進化していく。
2代目S50系時代の66年8月には、プリンスと日産自動車が合併。
今回は、日産スカイラインとして登場した3代目C10系までを「プリンスと日産」シリーズとして紹介していく。

【1959年式 プリンス スカイライン1500 Vol.3】

【2】から続く

 今回の取材車両は、57年前(取材当時)の1960年にアメリカに輸出された個体で、車両型式もALSIEL‐1となっている。Eはエクスポート(輸出)、Lはレフト(左)ハンドルの意味だろうか。現地在住のプリンス車マニアが長年普段の足として乗っていたそうで、4年前に日本へ里帰りした。
「アメリカのeBayオークションに出品されていたのを私が見つけ、現地の友人にサポートを依頼して、スカイラインを購入する段取りを整えました」
 と、オーナーのAさんがその出合いのきっかけを教えてくれた。現車を早く見たいとロサンゼルスに駆けつけたAさんだったが、改めてクルマ全体のコンディションを確認してみると、ショッキングな事実が明らかになる。

「ボンネットやトランクには穴が開いているし、内装もボロボロの状態でした。でも丸形2灯ヘッドライトの1型の左ハンドルはとても珍しかったので、再生させたいという気持ちは萎えませんでしたね」

 現地でメンテナンスを受けながら毎日乗られていた個体ということで、ランニングコンディションは抜群だったそうで、Aさんとしてはその点が再生へのモチベーションを保つ拠り所となっていたのも事実だろう。
 国内でのレストアにあたり、こだわったのがピンクのボディにホワイトの内装色。これは当時現地で製作されたパンフレットにあった配色で、日本から出荷される時点でこの仕様となっていたようだ。同じころ街中を走っていたフルサイズのアメリカ車に混じり、小さなピンクの初代スカイラインが走っている様子は、想像するだけで楽しくなってしまう。

>>【画像23枚】購入時、内装のコンディションが非常に悪かったため、シートやトリムの柄を忠実に再現しながら、すべて製作し直した。白のビニールレザーを多用しているため、シート全体を透明のビニールで保護している前後シートなど



OWNERS VOICE/日本に連れ帰って、元の姿に戻してあげたい

 オーナーのAさんは15歳から5年間アメリカ留学を経験。その時の自分の気持ちを重ねて、取材車両と出合った時に「何とか日本に連れ帰って、元の姿に戻してあげたい」と強く思ったそうだ。写真リストにあるミニカーはキーホルダーとして使っているもので、プロのモデラーにワンオフで製作してもらった。愛情をたっぷり受けたALSIEL-1は幸せものである。


【1】【2】から続く


1959年式 プリンス スカイライン1500(GZ20)
SPECIFICATION 諸元
全長 4280mm
全幅 1675mm
全高 1535mm
ホイールベース 2535mm
トレッド前/後 1340 / 1380mm
最低地上高 210mm
室内長 1920mm
室内幅 1460mm
室内高 1220mm
車両重量 1310kg
乗車定員 6名
最高速度 125km / h
登坂能力 22.8°
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 GA30型
エンジン種類水冷直列4気筒 OHV
総排気量 1484cc
ボア×ストローク 75×84mm
圧縮比 7.5:1
最高出力 60ps / 4400rpm
最大トルク 10.75kg-m / 3200rpm
燃料供給装置 シングルキャブレター
燃料タンク容量 40L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 5.19 / 2速 3.03 / 3速 1.59 / 4速 1.00 / 後退 5.97
最終減速比 4.625
ステアリング形式 ウオームアンドローラー式
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン・コイル / ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ前後とも ドラム
タイヤ前後とも 6.40-14 4PR
発売当時価格 108万円