【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

【1967年式 トヨタ 2000 GT Vol.2】

【1】から続く

 流麗なボディフォルムを誇るトヨタ2000GTだが、そのパワートレーンはトヨタとヤマハの共同作業によって開発された。MS40クラウンに搭載された2L直列6気筒SOHCのM型エンジンをベースに、DOHC化して専用エンジンとして搭載。この3M型エンジンの開発により高性能エンジンのノウハウを得たことで、後のトヨタDOHCエンジンシリーズ、9R型、8R‐G型、2T‐G型、18R‐G型などが生まれるきっかけとなったのだ。

>>【画像27枚】半分から内側が防眩のためツヤ消し黒で塗装され、砲弾形の外側がメッキとなる前期型の左右フェンダーミラーなど

 トヨタ2000GTは、330台ほどが当時生産されたと言われている。MF10の型式を持つ右ハンドルの国内仕様(一部、豪州などにも輸出)に対して、MF10Lの型式の左ハンドル仕様は、北米を中心に欧州などを仕向け地として、前期と後期合わせて80台強が輸出されたようだ。

 その左ハンドル仕様のMF10Lが、今回の取材車両となった。オーナーは、運転免許を取得して最初に乗ったクルマがAE86カローラレビンという走り好き。その後はポルシェに魅せられて、長年スポーツカーを所有してきた。11年ほど前からはクラシックカーラリーに興味を持ち、年に数回、ポルシェでエントリー。そんな折、ラリー仲間として知り合った、ビンテージカーヨシノの芳野正明社長が乗るトヨタ2000GTが気になり始めたという。

【3】に続く

1967年式 トヨタ 2000 GT(MF10L)
SPECIFICATION 諸元
全長 4175mm
全幅 1600mm
全高 1160mm
ホイールベース 2330mm
トレッド前/後 1300 / 1300mm
最低地上高 155mm
室内長 720mm
室内幅 1430mm
室内高 950mm
車両重量 1120kg
乗車定員 2名
最高速度 220km / h
登坂能力sinθ 0.567
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 3M型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75.0×75.0mm
圧縮比 8.4:1
最高出力 150ps / 6600rpm
最大トルク18.0kg-m / 5000rpm
変速 機前進5段 / 後退 1段オールシンクロメッシュ
変速比 1速 3.143 / 2速 1.636 / 3速 1.179 / 4速 1.000 / 5速 0.844 / 後退 3.238
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前後とも ダブルウイッシュボーン・コイル
ブレーキ前後とも ディスク
ホイール前後とも マグネシウム製
タイヤ前後とも 165HR15
発売当時価格 238万円(国内仕様)