【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

【1969年式 いすゞ ベレット 1600 GTR Vol.2】

【1】から続く

 さて、オーナーは、この個体を40年近くも所有し続ける筋金入りのベレット乗りだ。3年前からレストアを始め、この春に第一次完成とした。実はオーナーのベレット愛は、この個体に限ったことではなく、車歴そのものがベレット人生なのである。最初のクルマはシングルカムの1600GTで、友人たちがトヨタのツインカム車やスカイラインGT -Rを購入したことが大きく影響して、2台目としてこのGTRを購入。先にもふれたとおり、この時から今に至るまで所有し続けたまま、さらにファストバック、1800GT、1800スポーツと続き、人生の大半をベレットとともに過ごしている。しかし車種選び以上に熱い思いがあり、クルマの仕様はオリジナルを伝承したいという。

>>【画像17枚】ベレットのスポーツモデルには「精悍の黒」というキャッチコピーが使われた時期があるだけに、黒で統一された硬派な設定となっているフロントマスクやインテリアなど


「そのことに徹底しているということではなく、前のオーナーがフルオリジナルできれいな状態で乗っていたことから、このクルマはこのコンディションを維持していこうと。もちろん機械ですから、消耗パーツは定期的に交換の必要があります。そこが問題で、何が本当で何が間に合わせなのかを自分なりに判断して曇りのない仕様を維持していこうと思っているだけなんです」


>> シフトノブは垂直のショートタイプ。カチッとシフトフィールは、いすゞ車ならではのものとなっている。

>> リアシートも同様。この時期のクルマは5人乗り仕様は普通に存在したが、あえてプラス2としている潔さが特徴。

>> サーキット生まれの生粋GTだ。


【3】に続く


1969年式 いすゞ ベレット 1600 GTR(PR91W)
SPECIFICATION 諸元
全長 4005mm
全幅 1495mm
全高 1325mm
ホイールベース 2350mm
トレッド前/後 1260 / 1240mm
最低地上高 195mm
室内長 1480mm
室内幅 1240mm
室内高 1060mm
車両重量 970kg
乗車定員 4名
最高速度 190km / h
登坂能力 0.488°
最小回転半径 5.00m
エンジン型式 G161W型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1584cc
ボア×ストローク 82×75mm
圧縮比 10.3:1
最高出力 120ps / 6400rpm
最大トルク 14.5kg-m / 5200rpm
燃料供給装置ソレックス型ツインチョークキャブレター×2
燃料タンク容量 46L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 3.467 / 2速 1.989 / 3速 1.356 / 4速 1.000 / 後退 3.592
最終減速比 3.727
ステアリング型式 ラックピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン / ダイアゴナルリンク式スイングアクスル
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 165HR13
発売当時価格 111.0万円