【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

【1971年式 トヨペット コロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS Vol.3】

【2】から続く

 さて、この個体は20歳の若者が、免許取り立てで購入したもの。教習所に通い始めたころからネットでクルマ探しと研究を開始。父親からトヨタツインカムの話を聞かされていたことから、2000GTに始まり、1600GTと興味をそそる車種が日に日に増えていった。そして「隠れた名車コロナマークⅡ GSS」というキャッチーなフレーズに俄然興味を引かれて、ぞっこんになったという。このクルマがデビューした70年代の自動車雑誌を買いあさり、開発のバックボーンを知るにつれさらに引き込まれた。そこからコロナマークⅡ GSS探しが始まり、ついに発見したのがこの個体だった。静岡の板金屋の社長が、全塗装してレストアされた状態で保存していたものだ。


>>【画像19枚】カタログに「トヨタ2000GTタイプのバケットシート」と記載されており、骨格や表皮はまさにトヨタ2000GT譲りとなるフロントシートなど


「自分にとって、トヨタツインカムが重要ポイント。特にカムカバーの結晶塗装のコンディションは絶対に譲れない条件でした。まさにコレだ! という個体で即買いしました。」と言う。

 もちろん、オーナーは所有して乗るにつれ、ますます好きになっている。コークボトルの丸っこいボディ、赤レンズのワンテール、ハードトップならではのリアの造形とディテールまで愛してやまないのだ。ノーマルのスタイリングのバランスこそがベストで、オリジナル状態を保つことが使命と心得ている。今どきの若者気質ではなく、思い込んだら徹底して貫き通す。ましてや研究熱心なオーナーだけに、純正パーツのストックも始めた。生粋の旧車乗りの道のりを着実に歩んでいる。自動車趣味人たち、期待の若者なのだ。

8R-G型エンジンは、トヨタ1600GTに搭載されていた9R型のボア&ストロークを拡大したユニット。ヘッドはヤマハが開発。1600GTが短命に終わったため、このユニットがトヨタ初の量産DOHCエンジンとなった。


OWNERS VOICE/父親のDNAを受け継いだ、20歳のエンスージャスト

 オーナーは、20歳の学生。親父さんは初代スプリンターを所有。旧車趣味全開だけに、その影響を受けないわけがない。幼少期にトヨタ2000GTを3台買うと言っていたというから、かなりのクルマ好きであったようだ。好きになれば真摯に研究するし、関連情報まで調べ上げる。いつかは父親が以前所有していたトヨタスポーツ800を手にしたいと思っている。


【1】【2】から続く


1971年式 トヨペットコロナ マークⅡ 1900 ハードトップ GSS(RT72-MQ)
SPECIFICATION 諸元
全長 4300mm
全幅 1605mm
全高 1385mm
ホイールベース 2510mm
トレッド前/後 1340 / 1325mm
最低地上高 180mm
室内長 1805mm
室内幅 1355mm
室内高 1130mm
車両重量 1050kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力 0.59°
最小回転半径 4.95m
エンジン型式 8R-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1858cc
ボア×ストローク 86×80mm
圧縮比 9.7:1
最高出力 140ps / 6400rpm
最大トルク 17.0kg-m / 5200rpm
燃料供給装置 ミクニソレックス型ツインキャブレター
燃料タンク容量 52L
変速機 前進5段 / 後退 1段
変速比 1速 3.075 / 2速 1.838 / 3速 1.256 / 4速 1.000 / 5速 0.856 / 後退 3.168
最終減速比 4.375
ステアリング型式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ウイッシュボーン・ボールジョイント / リジッド・リーフ+トルクロッド+LSD
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング(ドラム)
タイヤ前後とも 165SR14
発売当時価格 107.3万円