【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。

クルマ好きのあこがれだったスポーツユニット搭載車。改めて1960〜70年代のクルマたちを見直してみると、ラインナップの中に意欲あふれるスポーティーグレードが存在していた。そんなモデルたちを振り返ってみる。

【スポーツユニットの意欲作たち Vol.3】

【2】から続く

 トヨタと日産に先駆けてSOHCエンジンにSUツインキャブを組み合わせ、パワー競争で優位に立ったのがマツダ(当時は東洋工業)だ。ファミリアクーペ1000とルーチェ1500SSにSOHCを採用した。また、コスモスポーツでは2ローター・ロータリーエンジンの実用化に成功している。10A型はパワフルなだけでなく、滑らかなパワーフィールが売りだ。

 1967年は高性能エンジンのヴィンテージイヤーである。フェアレディ2000は4気筒SOHCだが、ソレックスのツインキャブを装着して日本車として初めて200km/hの壁を破った。日本初の直列6気筒DOHCエンジンを積んだ流麗なトヨタ2000GTもデビューする。この2車は高速走行も意識して5速MTが標準だ。

 これ以降、トヨタはDOHC戦略を積極的に進めた。トヨタ1600GTとコロナマークII1900GSSに続き、1970年に登場したセリカとカリーナの1600GTには新開発の2T‐G型DOHCを積んでいる。

 ベレット1600GTも1969年秋にSOHCエンジンに換装し、1600GTタイプRと117クーペはG161W型DOHCを搭載する。同じ時期、スカイラインは4バルブのDOHCエンジンを積み、サーキットの常勝マシンとして君臨した。

>>【画像7枚】1960〜70年代のクルマたちに搭載されたスポーツユニットの意欲作たち


 60年代後半、パワー競争は激化した。コンパクトカーのカローラやサニーでさえSUツインキャブを装着するようになり、富士重工業もスバル1000にツインキャブ装着のスポーツセダンを設定している。レブリミットも大幅に引き上げられた。

 DOHCエンジンでライバルに差をつけたホンダは、N360からはSOHCエンジンを主役の座に据えている。ホンダ1300は独創的なDDAC方式の強制空冷エンジン、H1300E型4気筒を積み、99はCVキャブ4連装だ。軽々と7000rpmを超え、刺激的な加速を見せている。

 排ガス規制が敷かれる70年代半ばまで、スポーツユニットはわが世の春をおう歌したのだった。


【1】【2】から続く