【1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン Vol.3】

【2】から続く

 1000スポーツセダンは、2ドアのみの設定。エンジンは新たにチューニングが加えられたEA53型を搭載する。通常のEA52型は、水平対向4気筒OHVの977ccのシングルキャブ仕様で、55 ps/6000rpm、7.8kg‐m/3200rpm。これをベースに、圧縮比を9.0から10.0へ高め、カムシャフトを変更、キャブレターはミクニ製ソレックスのセミダウンドラフトCV型を2個装着、デュアルエキゾーストシステムなどでチューニングを施し、67 ps/6600rpm、8.2kg‐m/4600rpmにパワーアップ。一説によると、ヘッド、ピストン、クランクシャフトなども別物で、エンジンのバランスのよさ、回転の上がりが速いことで当時も評判だった。

 組み合わせるミッションは、同じ4速フルシンクロだが、シフトレバーはコラム式からフロアシフトに変更されている。さらに、ブレーキはフロントにディスクを採用。タイヤは高速性と操縦性を重視して国産車では初となるラジアルタイヤを標準装備。スポーツセダンの名にふさわしいスペックを誇る。
 また、2ドアのデラックスをベースとしているが、外観ではフロントのラジエーターグリルを、黒塗りに横1本バーのスポーティーなデザインに変更。フロントのセパレートシートにはヘッドレストが新たに採用され、ステアリングのロック・トゥ・ロックが3.6回転から2.9回転に高められ、3個の独立メーターが採用されるなど、スポーツセダンらしい装備が施された。

 オーナーは、スバル1000の構造とデザインが気になっていたが、実車を見たことがなかった。ところが、岡山県玉野市にある「クラブスポーツ」でスポーツセダンを見て、すぐに購入を決意。今ではそのサウンドと軽快な走りのトリコになっている。


>>【画像21枚】。ボディカラーは、ピーチホワイトとトロピカルレッドの2色が純正。取材車は、以前のオーナーが全塗装したもの。誇らしげに「Sports」のエンブレムが装着されているリアクオーターなど


>> キャブレターはセミダウンドラフトCV型のミクニ製ソレックスBDS36を2個装着。ファミリーセダンとしては異例の67psを発揮。


>> 標準のEA52型から12psもパワーアップされたEA53型エンジンを搭載。本来は、運転席前にスペアタイヤが収められている。


>> ボディサイドのモールを境に、ガバッと開くボンネットが特徴。


OWNERS VOICE/デザインと構造が魅力的! エンジンの音も最高です

「スバル1000かff-1を探していたんですが、たまたまクラブスポーツさんに入庫したスポーツセダンを見て、ひと目ぼれしました。というより、実車は初めて見たんです」とコメントしてくれたオーナー。1991年式のキャブ仕様のミニクーパーを新車で購入し、現在も所有している。スポーツセダン特有の、ハイコンプなエンジン音も気に入っているそうだ。


【1】【2】から続く



1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン(A12)
SPECIFICATION 諸元
全長 3900mm
全幅 1480mm
全高 1375mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1225 / 1210mm
最低地上高 165mm
室内長 1700mm
室内幅 1270mm
室内高 1125mm
車両重量 705kg
乗車定員 5名
最高速度 150km / h
登坂能力tanθ 0.400
0→400加速 17.7秒(2名乗車)
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 EA53型
エンジン種類 水冷水平対向4気筒OHV
総排気量 977cc
ボア×ストローク 72×60mm
圧縮比 10.0:1
最高出力 67ps / 6600rpm
最大トルク 8.2kg-m / 4600rpm
変速比 1速 3.540 / 2速 2.235 / 3速 1.524 / 4速 1.038 / 後退 4.100
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 36L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ウイッシュボーン式独立懸架トーションバー / トレーリングアーム独立懸架トーションバー・コイルスプリング併用
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 145-13
発売当時価格 62万円