オリジナルを求めるなら、徹底してオリジナルを。
チューンドカーを求めるなら、前人未到のチューニングを。
いつからか、旧車の世界は極端なステレオタイプになってしまっていないか?  
そこで、純正らしいルックスと乗りやすさを重視したメカを持つS30Zを紹介したい。
このバランスのよさこそ、実は世間が求めているベストなのではないか?

【1975年式 日産 フェアレディZ Vol.3】

【2】から続く

 シンプルに徹した外観からは想像できないほど、製作した、水上さんの思いはかなり熱気に満ちている。

 ドラッグレースシーンで活躍しているため、その気になればエンジンはカリカリにチューンできるハズだが、その思いを封じ込め、ここでも一歩引いたオールマイティーな性能を追求してきた。ベースとなるエンジンには、L28型の中でもボアアップに適しているとの評価が高いN42ブロックとヘッドを採用。中身には亀有製のφ89.25mmピストン、L14型用を軽量化したコンロッド、LD28型用クランクと、3.1L化の王道パーツをそろえる。キャブレターはソレックス44PHHを3基組み付け、およそ320psを発揮。1tちょっとのS30Zなら、必要十分な走りが楽しめるとの考えだ。


>>【画像27枚】バケットシートに交換したい気持ちをグッと抑えて、あえて純正シートを生かす。新品に交換しているため、乗っていて気分がいいフロアマットや防音材など


「カムも76度にして、とにかく乗りやすさを重視しました。オリジナルマフラーの音もひかえめにしたので、改造旧車イコール爆音みたいな、ネガティブなイメージは一掃されています。
 あとは点火系、冷却系のアップデートも済んでいますので、ワンテールだとかフルレストアだとかにこだわらず、キレイなS30Zに気持ちよく乗りたいという考えの方に最適な仕様です」と水上さん。事実、撮影中も、周囲から「素敵なZですね」と声をかけられた。旧車のよさとチューニグのよさをバランスよく取り込んだこの1975年式S30Zなら、大人なイメージで乗れそうだ。



>> N42のブロックとヘッドを母体に、亀有エンジンワークス製のφ89.25mm鋳造ピストン、軽量化済みL14型用コンロッド、ケツ切り加工したLD28型用クランクで3.1L化を達成。ブローバイの口をサイドに移動させ、アールズのフィッティングを使う工夫もアリだ。


【1】【2】から続く



1975年式 日産 フェアレディZ(A-S30)
SPECIFICATION 諸元
■ エクステリア:水上自動車工業製フロントスポイラー、熱線なしリアガラス
■ エンジン:L28型N42ブロック+N42ヘッド、カムカバーブローバイ横出し加工+黒結晶塗装、削り出しオイルフィラーキャップ、亀有エンジンワークス製鋳造ピストンφ89.25mm/軽量ビッグバルブ(INφ46mm/EX38mm)、イスキー製バルブスプリング、L14型用コンロッド軽量加工、LD28型用83mmクランク(ケツ切り加工)、オリジナルカム(作用角76度/カムリフト9.6mm)、ニスモ製オプションプーリーセット
■ 吸排気系:原田商会製インテークマニホールド、ソレックス44PHH×3、アルミ削り出しファンネル、水上自動車工業製6-2等長エキゾーストマニホールド/オールステンレスマフラーφ80mm
■ 点火系:亀有エンジンワークス製レース用デスビ&フルトラキット、MSD製ブラスターハイバイブレーションコイル/プラグコード
■ 冷却系:クロスフロータイプアルミラジエーター
■ 燃料系:オートサービスワタナベ製インジェクションポンプ
■ 操舵系:ガレージアルゴン製電動パワーステアリングキット
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、71Cミッション、R200デフ(ファイナル4.1)、ニスモ製LSD
■ サスペンション:(F)水上自動車工業製車高調/ステアリングロッド/テンションロッド、エナジーサスペンション製ブッシュ
■ ブレーキ:S15シルビア用ブレーキマスター (F)MK63キャリパー (R)S13シルビア用ディスクブレーキ
■ インテリア:水上自動車工業製チェックマンレプリカステアリング&ボスセット、油圧/油温/水温計追加
■ タイヤ:ヨコハマ アドバンネオバAD08R (F)195/50R15 (R)225/50R15
■ ホイール:レイズ ボルクレーシングTE37V SL (F)15×7.5J (R)15×8J