【1997年式 トミーカイラ ZZ Vol.1】 1997年から1999年まで販売されたトミーカイラZZは、アルミ製のツインチューブモノコックを採用したオリジナルカー。その走りをサーキットで見たオーナーは衝撃を受け、自車を手に入れる。しかしその走りの違いに驚き、彼のモディファイ&チューンアップ人生が始まった。
夢を叶えたオリジナルカーの、成功を今に伝える伝説のマシン  自分だけのクルマを造ってみたい。クルマ好きならば誰でも考えたことがあるのではないだろうか。ハチマル車の専門雑誌を手に取っている本誌ハチマルヒーローの読者の皆さんであれば、なおさらその傾向は強いのではないかと想像できる。

 トミタ夢工場の冨田義一さんと解良喜久雄さんもそんな気持ちを持ち続けた2人だった。1987年にR31スカイラインベースのトミーカイラM30を日本初の公認チューニングカーとして発売。その後日本ではコンプリートカーが続々と出現することになる。

 しかし、これだけでは満足できなかった2人は、オリジナルのクルマを造る夢をあきらめず開発を続け、1995年、ついに完全オリジナルのトミーカイラZZを発表。1997年から1999年までの販売期間で約200台を生産。自動車メーカー以外でこれだけの台数を販売した例はなく、もっとも成功したオリジナルカーメーカーとなった。

>>【画像21枚】FRPで自分で製作したリアのディフューザーなど。チタン製のマフラーのタイコ部分がディフューザーの上からのぞいており、かなり迫力のあるリアの造形。サイドアンダーカウル、サイドインテークも自作。インパネも自作と内外装ともに手が入っている個体


 極限まで小さく、軽くをテーマに造られたトミーカイラZZは、アルミ製のツインチューブモノコックを採用。長年、レースエンジニアとして活躍してきた解良さんは、当然のように軽量化と高剛性化の実現にために不可欠なこの方式を採用。同時期のロータス・エリーゼにも同じ形式が取られたことからも、その技術の採用が至極当然だったことがうかがえる。

 特徴的なのは鋼管製サブフレーム。前後ともダブルウイッシュボーンが採用されているが、このサブフレームにサスペンションが取り付けられており、ここで平面的で滑るように走る乗り味が作られている。

 エンジンはS15シルビアなどが搭載していたSR20DE型をリアに横置き。DOHC16バルブのオールアルミの水冷直列4気筒エンジンは、もともとの排気量や圧縮比はそのままに、FCR4連キャブの採用によってノーマルのSR20DE型より30 psアップの180psを発揮。そこに軽量なFRPのボディを被せ、インテリアも最低限のものしか装備せず、ノンサーボのブレーキを採用。レーシングカーをそのまま公道に持ち出したようなクルマとなって販売されたのだ。

 ところで、取材した個体は、数多くのモディファイがされている。この個体のオーナーは、兵庫県のセントラルサーキットを走ってる際にトミーカイラZZを見かけ一目ぼれ。走行距離700kmの新古車を1998年に購入。早速サーキットに持ち込んだが、あまりの遅さにびっくりしたという。聞くと最初に見たZZは235psまでメカチューンされたもの。それを聞いた直後からオーナーのチューニング人生が始まったのだ。

>> サイドアンダーカウル、サイドインテークは自作。FRPで製作されたもの。

>> リアのエンジンフードも自作FRP製。飛び出しているのはトーイングフック。フードの下にあるフレームに直接固定されている。



1997年式 トミーカイラ ZZ
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3630×1740×1110
ホイールベース(mm) 2375
トレッド前/後(mm) 1420 / 1480
最低地上高(mm) 120
車両重量(kg) 710
エンジン型式 SR20DE型
エンジン種類 直列4気筒DOHC(京浜FCRキャブ)
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 180 / 6900
最大トルク(kg-m / rpm) 19.6 / 4900
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン
ブレーキ前/後 Vディスク / ディスク
ホイール 15インチ×6.5JJ(前後とも)
タイヤ 205 / 50R15(前後とも)


【2】に続く