【1972年式 日産 フェアレディ Z432-R Vol.3】

【2】から続く

 1972年、日産の在庫整理の対象となったZ432‐R。この時ナンバー付きのレーシングカーとして、Z432‐Rが公道に放たれたが、その数は一説では23台といわれている。希少性の面でも、性能の面でも、これほど特別なクルマはほかにはない。

 オーナーは、そのうちの1台を手にした幸運の持ち主だ。S20型エンジン搭載のクルマを探していたところ、たまたま知り合いから「Z432‐Rがある」と声をかけてもらい、2012年に購入。Z432‐Rにはよくあることで、バケットシートやアクリル製の窓は日常のドライブに向かないため、スタンダードなZ432のシートやガラスに交換されていたそうだ。それから2年間はZ432仕様のまま乗っていたそうだが、一緒にZ432‐R用の部品も多数譲ってもらっていたため、それからオリジナル状態のZ432‐Rへの復元を開始。2017年の1月についに復活を果たした。

「S20型エンジンのGT‐Rに乗っていた時期もあります。それと比べてZ432‐Rのほうがじゃじゃ馬ですね(笑)。きっとボディの軽量化のせいなのでしょう。CDIとエアクリーナー、足まわりのショック以外はフルオリジナルですので、これからもオリジナルにこだわっていきます」と、オーナー。

 名車フェアレディZ432にまつわる、もう1つの伝説。ベールに覆われた市販レーシングマシン、幻のZ432‐Rがつむぎ出すドラマを、これからも私たちは決して忘れない。

>>【画像50枚】100Lタンクも標準仕様。SS KUBO製を装着する縦デュアルマフラーなど



>> Z432Rではフェンネル仕様のソレックス3連キャブが備わるが、街乗りを考慮して、オーナーはK&Nのエアクリーナーを装着する。


>> エアクリーナーを外すと、クリーナーのサイズに合わせた短めのファンネルが装着されている。その下のオイルブロックには、オイルクーラー用の取り出し口が設けられている。


>> 型式プレートの番号は100番台というかなり初期モデル。


OWNERS VOICE/新婚旅行に出かけた思い出のS20型を、いま2人で楽しむ 以前、KPGC10スカイラインGT-Rに乗っていて、奥さまとの新婚旅行で九州までドライブしたというオーナー。その時に覚えたS20型エンジンのフィーリングが忘れられずにクルマを探していたところ、この貴重なZ432-Rに巡り合えたそうだ。奥さまの恵美子さんもいつもイベントに同行し、今では彼女にとってもZ432-Rは愛着のあるものになっている。


1972年式 日産 フェアレディ Z432-R(PS30-SB) SPECIFICATION 諸元
全長 4115mm
全幅 1630mm
全高 1290mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355 / 1345mm
最低地上高 165mm
室内長 835mm
室内幅 1390mm
室内高 1070mm
車両重量 960kg
乗車定員 2名
0→400m加速 15.8秒以下
最高速度 210km / h以上
登坂能力tanθ 0.462
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式ラックアンドピニオン(ギア比16.4)
サスペンション前/後ともストラット・コイル
ブレーキ前/後ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.95-14-4PR
発売当時価格 150万円


【4】に続く