空冷エンジンの楽しみ方 日本の国民的ファミリーカーとして、広く愛されてきたパブリカをベースにモディファイ。
今のクルマにはない個性的なスタイルはそのまま、排気量アップ&点火系の見直しでエンジンを適度にパワーアップ。
パイピングやパーツレイアウトにこだわった作り込みで、独特の美しいエンジンルームを実現。

【1967年式 トヨタ パブリカ 800 Vol.2】 【1】から続く

 ボディにかんしては、購入後はほとんど何もしていないというが、ボンネットを開けてまず目に入るのが、ピカピカに磨かれた2本のアルミパイプだ。しかも、空冷のファンが前側にあるため、ポルシェかVWのエンジンルームのように見えるが、もちろんこのパイプはインタークーラー用などではなく、エキマニの熱を取り込んで車内を暖めるヒーター用にあつらえたもの。空冷式の2U型エンジンのため、水冷エンジンのように暖かい冷却水を車内に引くことができないからだ。

 話が少しそれてしまったが、ヨタハチと同じ空冷水平対向2気筒の2U型エンジンは、ボアφ83mm×ストローク73mmで、排気量は790cc。これをベースに、3T型用φ85.5mmピストンを組み込んでボアアップ。ピストン自体にはフルフロー加工、バルブリセス加工、重量合わせを施し、圧縮比は8.7に設定。クランクシャフトがノーマルのため、排気量は837ccとなっている。カムシャフトは、ヨタハチ純正カムと同等の300度をJUNオートメカニックで削り出してもらい組み込んでいる。以前は高速走行に向けて大口径のキャブレターを装着していたこともあったが、普段使いとしてはトルク不足のため、現在はヨタハチ純正キャブを流用。ただし、メインジェットをφ1.03mmからφ1.1mmに拡大加工し、実用域でのトルクと高回転でのパワーの両立を図っている。さらに、点火系を大幅にアップグレードしている。純正はポイント式のシングルプラグだが、ヘッド部分にプラグ穴を追加加工し、1気筒につきプラグを2本使用するツインスパーク化を実践。しかも永井電子機器製のハイパーイグニッションによる同時点火にして、強力なスパークを飛ばし、効率よく燃焼するようにチューンナップしている。

 キャブレターの上にスマートに収まるエアクリーナーは、ケース自体を吉良さんが金属を加工して製作したもの。また、左右の排気を1本に導くステンレスのY字パイプやφ42.7mmのマフラーも、同じくワンオフで製作し、排気効率をアップしている。

>>【画像16枚】排気量の「800」と「SL」を組み合わせた純正にはないグレードエンブレムなど



3T型エンジン用のφ85.5㎜ピストンを組み込み、837㏄へと排気量アップした2U型エンジン。同時点火&ツインスパーク化など、見た目を裏切らないチューニングが施されている。


高速道路をメインに考えると、以前装着していたサイズの大きなキャブに軍配が上がるというが、街乗りでの使い勝手を考え、現在はヨタハチ純正改のキャブに、ワンオフエアクリーナーボックスをプラス。


インテークパイプもステンレスでワンオフ製作。


1967年式 トヨタ パブリカ 800(UP20)
SPECIFICATION 諸元
エクステリア:オールペイント、フロンテ用ヘッドライトカバー、シールドビーム改H4 
エンジン:2U型改837ccツインスパーク仕様(ボアφ85.5mm×ストローク73mm、圧縮比8.7)、JUN製カム(300度)、3T型用φ85.5mmピストン(フルフロー加工、バルブリセス加工、重量合わせ) 
吸気系:ヨタハチ純正キャブ(メインジェット加工)、ステンレス等長インマニ製作、エアクリーナーケース製作 
排気系:φ42.7mmステンレスマフラー製作 
点火系:永井電子機器製ハイパーイグニッション同時点火×2基、ICオルタネーター 
燃料系:ホンダ・アクティ用電磁ポンプ 
駆動系:ヨタハチ純正ファイナルギア(ギア比3.3) 
サスペンション:ヨタハチ純正ショック、チェックマン製カローラ用リーフ 
ブレーキ:(F)吉良自動車製ディスクブレーキキット 
タイヤ:ブリヂストン 155 / 70R13 
ホイール:TMSCレプリカ 13×4.5J 
その他:ヒッチメンバー製作、アルミ製ヒーターパイプ製作


【3】に続く