1970年代前半まで続いた日本の高度経済成長は、ピート・ブロックというクルマの哲学にも、大いなる変化をもたらした。2代目S50系や3代目C10を振り返ればわかるように、それまではレースでの好成績がそのまま基本性能の高さをアピールすることにつながり、販売台数の伸びに直結していた。ところが、徐々に大衆が求めるクルマ像にも変化が表れてきた。走行性能にのみ特化したクルマでは、多くの大衆の支持を集めることができず、車内の広さや装備に余裕のあるモデルが支持を集めるようになってきたのだ。

【BRE ダットサン 510 Vol.1】

――510こと三代目ダットサン・ブルーバードは1967年に日本で発売され、(2017年取材時)50周年を迎えます。その歴史の中でBRE(ブロック・レーシング・エンタープライズ)が後世に与えた影響は計り知れませんが、そのことについてブロックさんはあらためてどのようにお考えですか?

ピート・ブロック「BREがダットサン510や240Zを通してレースの歴史になし得てきた功績については、とても誇らしく思っているよ。BREも510もいまなおアメリカで強い存在感を保っているし、アメリカだけではなく、カナダ、メキシコ、その他のカリブ海諸国でもビンテージ・カー・イベントには美しい510が現役レーサーとして競技に参加し、勝利している!(笑)。それはとても素晴らしいことだね」


>>【画像34枚】チャンピオン・スパークプラグとバルボリンのステッカーが貼られている左側ヘッドライトのカバーなど



BREのダットサンロードスターや240Zでも採用された#46は、ドライバーとして活躍したジョン・モートンさんがチョイス。「子供の頃、ピンボールをやっていた時のラッキーナンバーが6だったから」ということで、ロードスターから40番台を引き継いで46に決まったそうだ。」


ルーフにもBRE DATSUNのチームロゴとスポンサーであるSIMONIZのロゴ、そしてゼッケンナンバーの46を塗装。


BREダットサン510(ヒストリック・トランザムカー仕様)1972年モデル SPECIFICATION 諸元
全長 4070mm
全幅 1735mm
車両重量 1982ポンド(899kg)
エンジン型式 L16型改
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 約1800cc
最高出力 220ps以上
変速 機5速 マニュアル
サスペンション前/後 マクファーソンストラット・コイル独立 / IRSセミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 11.5インチ・ベンチレーテッドディスク(ポルシェ906用) / 9インチ・ドラム
タイヤ前後とも 20.0×8.0-13

おもな戦績
SCCAトランザム2.5チャレンジ・チャンピオンシップ 1971年シーズン6勝、1972年シーズン6勝など。



【2】に続く