「刺激的な昭和車を、令和な最先端パーツで、より魅力的な存在にする」これが、コモンスナッパーが手がけたケンメリR仕様のコンセプト。荒々しく硬派な容姿と走りのフィーリングを、だれもが楽しめるようにしたイノベーティブなモディファイ。令和の幕開けを告げるにふさわしい、新時代のチューンドをとくとご覧あれ。

【1975年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X Vol.3】

【2】から続く

 一方のエンジンは、L28型をベースに、ストリート仕様をコンセプトに完全リメイク。排気量は安全マージンを取った3L仕様。ヘッドはN42、ピストンはオートサービスワタナベ製の鍛造φ89.5mmピストン、リテーナーには64チタンを組み込み、耐久性にこだわった作り込みだ。カムは75度を選択し、サーキット走行も許容させる。そして、吸気システムはジェンビーの6連スロットル(φ50mm)。これをコモンスナッパーが得意とするMoTeCで制御する。このECUセッティングが独特で、宮本代表によると、インジェクション仕様ながら、あえてアナログなキャブっぽい吸気フィーリングに仕上げている。その理由は。

「キャブは不良なんですわ。優等生なインジェクションと違い、ドライバーに媚びない。しかし、この不良なところが、実は昭和のチューンドを走らせる面白さでもあるわけで……。アクセルをガバッと開けた時の、あの背中を蹴られるようなレスポンスは、燃料を問答無用で送るキャブ車ならではのフィーリングやから。

>> 【画像36枚】車高は走りを考えて、あまり下げ過ぎないのが令和なR仕様の基本。ホイールはBMDの最新作「ベステル」を装着。脱定番な最新アイテムをスタイリッシュに履きこなす


>> デフはLSDが組み込まれている。なお、コモンスナッパーの推奨オイルはモティーズ。現車もエンジン、ミッション、デフ、すべてモティーズを使用する。


>> マフラーは純正デザインを踏襲したシングル→デュアル。メインパイプは抜け重視のφ60mm。クリアランスがきつく、ギリギリの容量のサイレサーを装着。
1975年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X(KGC10) SPECIFICATIONS 諸元
■️ エクステリア:GT-R仕様(グリル、エンブレム、フロントスポイラー、
オーバーフェンダー、リアスポイラー、リアガーニッシュ)、
マーシャル製ヘッドライト
■ エンジン:L28型改3.0L仕様(ボアφ89.5mm、ストローク83mm)、
N42ヘッド(2mm面研)、ASW製75度カム/バルブスプリング/
φ89.5mm鍛造ピストン/コンロッド、64チタンリテーナー、
亀有製アイドラギア
■ 吸気系:JENVEY製φ50mm(スロットルボディ、インマニ)
■ 排気系:メインφ80mmマフラー(テールφ60mmデュアル)
■ 点火系:IGNITION PROJECTS製マルチスパーク
■ 制御系:MoTeC M84
■ 冷却系:3層真ちゅうラジエーター
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、LSD
■ 燃料系:ノーマルタンク加工インタンクポンプ仕様、
HOLLY製ハイドロマット
■ サスペンション:カンデン製サスペンションキット
 (F)8kg/mm (R)20kg/mm、ウレタンブッシュ
■ インテリア:ナルディ製ステアリング(チタンピアスボルト)、
純正メーターLED化、STACK製追加メーター(タコ、A/F)、
4点式ロールバー
■ タイヤ:KUMHO V700(F)215/45R16 (R)245/45R16
■ ホイール:BMD bester(F)16×8.5J -16 (R)16×10J -39


【4】に続く