【1969年式 日産スカイライン2000GT-R 4ドアボディに秘めたGT-Rの高性能 vol.2】

【1】から続く

 現在、基本的にハコスカGT-Rの人気の中心は2ドアハードトップのモデルだが、4ドアGT-Rにも根強いファンが存在する。何より先代のスカイラインS54-Bの持っていた「羊の皮を被った狼」の印象は、オーバーフェンダーなどが目立つ2ドアハードトップよりも、ホイールアーチが少し大きくなった程度の4ドアセダンの方が、より色濃く引き継いでいると言えるだろう。

 また、4ドアにしかない大きなメリットは、当たり前だが後席に乗りやすい、ということだ。スポーツカーとしてはデメリットになるが、クルマとして考えれば、家族で乗車するときなどは4ドアの方が圧倒的に使いやすい、ということになる。

 オーナーがそんな4ドアのGT-Rを手に入れたのは、取材時のおよそ12年前のこと。元々旧車が好きだったが、最初はハコスカと決めていたわけでなく、フェアレディZを買おうと思って旧車を扱う中古車店に見に行ったところ、このGT-Rに出合ったというわけだ。程度が非常によかったことに加え、一緒に見に行った奥様の「絶対に4ドアの方がいい」という言葉もあり、購入を決定。4ドアであることの利点は、こういう場面でも大きかったというわけだ。そのおかげかどうかはわからないが、今では一家全員でハコスカGT-Rを楽しんでいる状態だという。

 【画像14枚】木製で、赤いベースのシフトパターンがGT-Rのあかしとなるシフトノブなど。5速に当たる部分は「OD」表記になっている



>>エキマニはステンレスの等長タイプ。点火系には永井電子機器のMDIを装着して強化している。プラグコードも同社のウルトラだ。また、トランスミッションはケンメリGT-R用の2分割になった71Bに変更されている。



>>キャブレターはエアファンネルに金属メッシュを装着したソレックスの44PHH(ニスモ)に変更。純正エアクリーナーに戻すことも検討中。


>>ホイールはハヤシレーシング製を装着。サイズはフロント14×6.5J、リア14×7J。また、ブレーキはスポーツオプションのMK63に変更している。
 
1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) 全長4395mm
全幅1610 mm
全高1385 mm
ホイールベース2640 mm
トレッド前/後1370/1365 mm
最低地上高160 mm
室内長1775 mm
室内幅1300 mm
室内高1120 mm
車両重量1120kg
乗車定員5名
登坂能力sinθ0.490
最小回転半径5.3m
エンジン型式S20型
エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
総排気量1989cc
ボア×ストローク82.0×62.8mm
圧縮比9.5:1
最高出力160ps/7000rpm
最大トルク18.0kg-m/5600rpm
変速比1速2.957/2速1.853/3速1.311/4速1.000/5速(OD)0.852/後退2.922
最終減速比4.444
燃料タンク容量100L
ステアリング形式リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)
サスペンション前/後ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.45H14-4PR
発売当時価格150万円


 【3】に続く