オリジナルを尊重しつつ現代流のエッセンスを加えることで、快適で速い旧車作りを実践してきたスターロード。その王道メニューを施したのが、GT-R仕様のハコスカだ。3L化されたL型ユニットをはじめ、ボディから足まわりに至るまで、豊富なノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ。作り手の情熱とオーナーの愛情が詰まった、そのマシンの詳細をじっくりとご覧いただこう。

【1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT Vol.1】

 低く構えた武骨なボディに絶妙なマッチングをみせるブロンズリムのグロースター・ホイール。そしてお約束のチンスポ&板っパネ。スタンダードな仕上げなのに、どこかただ者ならぬ雰囲気が漂う。スターロードが手掛ける旧車はいつもそうだ。

「特別なことはしてないよ。ウチの王道スペックだから」

 5年ほど前に納車したというGT‐R仕様のハコスカを前にそう話すのはスターロードの井上正嗣代表だ。旧車メイクに関しては妥協という言葉を知らない。エンジンルームはもちろんボルト1本までピカピカに仕上げられるのは、これまでの取材で出合ったスターロードのクルマすべてに共通する。

 しかし注目すべきは、外見の美しさのみならず。その真骨頂は、街乗りも快適な旧車に仕上げられていることにある。「復活製作販売」をポリシーに掲げているため、選び抜いた程度良好のベース車両を、ユーザーの好みやリクエストを聞きながら、理想のコンプリート車両を製作していく。



>> オーバーフェンダーはカーボン製。フロントのホイールサイズは9J +10。タイヤはRE71Rの195/55R15を履く。

>> 【画像22枚】リアもRカットを施し、カーボンフェンダーを装着。そこに収まるグロースターのサイズは10J -28という深リム仕様。タイヤはRE01でサイズは225/50R15をセットする。
 など

>> 豊富なノウハウが、惜しげもなく注ぎ込まれた匠のボディ

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(KGC10) SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア(総剥離)
■エンジン:L28型改3.0L仕様、【ヘッド】燃焼室加工(含容積合わせ)、カッター跡修正・形状修正、ヘアライン仕上げ、ポート拡大加工(オリジナル形状)、IN:ヘアライン仕上げ EX:半鏡面仕上げ、上面修正/下面面研、77.5度カムシャフト(リフト9.3mm)、ビッグバルブ(IN:φ45mm EX:φ36.5mm/118mm)、ABB/PBBバルブガイド、SPL形状シートカット(カムシャフトセンター基準にて)、ハイリフト対応ハイレートバルブスプリング、オフセットリテーナー(特殊鋼)、強化バルブコッター(タフトライド処理)、クロモリロッカーガイド 【ブロック】φ89mm鍛造ピストン(PH29mm、ピストン重量バランス0.5g以内)、I型断面コンロッド(L=140mm、コンロッド重量バランス0.5g以内)、 L28型用クランク1本キー加工/曲がり修正/ダイナミックバランス/ジャーナル&ピンラッピング、ブロック上下修正面研、ダミークランク&ダミーヘッドボーリング、ARP強化クランクキャップボルト、シリンダーパルホスM処理、ニスモ製レース用メタル、強化オイルポンプ、強化クランクプーリーボルト、水穴ブランク栓入れ替え
■吸排気系:ソレックス44PHH、スターロード製オリジナル燃料配管/オリジナルφ48mm等長ステンレスタコ足/オールステンレスローダウンマフラー
■電気系:スターロード製ブラックオルタネーター
■冷却系:スターロード大容量3層オールアルミラジエーター
■駆動系:ORC製シングルクラッチキット、FS5W71Cクロスミッション、ニスモ製セミクイックシフト、R200フルOHニスモLSD(ファイナル4.1)、B90D90タイプドライブシャフトOH品流用+専用4Hフランジ製作(圧入溶接加工品)
■サスペンション:スターロード製(F)車高調30段 (R)フルタップ30段調整ショートショック/フジーアジャストメントアーム
■ブレーキ:スターロード製(F)4ポット鍛造キャリパーキット (R)スターロード製ディスクブレーキコンバートキット/マスターバックキット
■タイヤ:ブリヂストン ポテンザ(F)RE71R 195/55R15 (R)RE01 225/50R15
■ホイール:グロースター ブラックカットディスク ブロンズアルマイトリム(F)15×9J +10(Oディスク)
(R)15×10J -28(Oディスク)
■インテリア:MOMO製JETステアリング、レカロ製クロススポーツスター×2脚、スターロード製クーラーキット




【2】に続く