小さい頃から好奇心いっぱいで、考えるより先に行動に出る人っていますよね。知らない所にもどんどん入っていける行動力は、人並み以上のものがあります。ただ、途中でどうしても飽きてしまって続かないというのを繰り返し、そんな自分に劣等感を持っている人も多いと思います。

何をやっても続かない飽き性の人に向けて、どのように自分と付き合っていったらいいかを、心理カウンセラーがお伝えします。

 

1.初めはやる気満々のはずが…

「何をやっても続かない」という人の話をお聞きしていると、多くの人が幼少期からそうだったとおっしゃいます。

小さい頃の習い事も、最初はやりたくてやりたくていろんなものに手を出すのですが、最初の2〜3回で急に興味がなくなったという経験も多いのではないでしょうか。自分でもなぜ興味がなくなったのかよくわかりません。ただ興味がなくなり、楽しくないことをやり続けることが、とても苦痛で耐えられないので、「やっぱり無理」となるのです。

 

2.続けられないことを責められ続けると

初めは頑張ろうと思っていたはずなのに、やはり続かない。コツコツ頑張って続けている人を見ると、なぜあんなに続けられるのか、どうして自分は続けられないのか、本人もよくわからず答えることができません。

しかし小さい頃に、親や先生、まわりの大人から、続かないことに対するマイナスの評価をつけられてしまいます。「続けられることはいいことで、続けられないことはいけないこと」、そういう価値観が無意識のうちにすり込まれてしまいます。

だから大人になっても、続けられないことがずっと劣等感になってしまうのです。始める前は、本人も今度こそはと思っています。親からも、今度は絶対続けるんだぞと約束させられたかもしれません。だけど続けられなかった、という結果が続けば、まわりからの評価も次第に変わってきます。コツコツ続けている人と比べられては、ダメだしされた経験を積み重ねてしまいます。

最初は続けられない自分はなぜなんだろうと思ってたのが、まわりからの評価を受け、何をやっても続かない自分はダメな人間だと自己否定感を強めてしまいます。大人になっても、それはずっと心の中で引きずっていて、自分に自信が持てません。続けられない劣等感から、何かを始めるときには、続けられるかどうかという基準で判断してしまいます。

 

3.飽き性で続かない人の強み

そもそも、飽き性で続かないことが本当にダメなことなのでしょうか。実はこういうタイプの人には、コツコツ続けられる人には持っていない特性があります。

まず行動力と行動に移す早さはピカイチです。なぜかというと、原動力が好奇心だからです。面白そう、楽しそう、やってみたい、わくわくする、そんなものにパッと目を輝かせます。

そしてこういうタイプの人が一番苦手とするのは、「慣れる」こと。つまり刺激がなくなることなんです。裏返せば、こういうタイプの人はとても変化に強いんです。知らない場所、知らない人たち、知らない事など全然平気で、むしろ楽しめたりします。

コツコツ続けられる人というのは、続けることで成長した自分や成果にやりがいを感じています。ところが飽き性で続かない人は、そういうものよりも、むしろ自分が楽しんでやれているかというところに重きを置いています。だから「楽しんで頑張れる」という才能を持っています。

 

4.「何をやっても続かない」飽き性の自分との付き合い方

まず「続けられるかどうか」という基準をいったん外して下さい。「続ける」ことにこだわりすぎると、強みでもあるフットワークの軽さや元気さが消えてしまいます。刺激がないと飽きてしまうので、単調な仕事や作業は本来は向いていません。

とはいえ、単調な作業や仕事をやらなければいけないときもあります。そういうときは、自分でやり方や目先のレイアウトや使う物を変えるのもいいでしょう。また、いきつけの場所やいつも通る道を変えるというのも、新しい発見があるかもしれません。まわりの人や環境が変わるのを待っているのは性に合いません。むしろ、小さくても自分で目先を変えてどんどん刺激を与え、気持ちを切り替える方がいいのです。

「ずっと同じことが続く」
「まわりも自分もずっと成長しない」
「慣れてしまって変化がない」

こういうフレーズが頭の中で出てきたら、一度自分の生活を見直しましょう。自分で自分を飽きさせない工夫をすると、見方が変わります。ただ、楽しくないから、飽きたからやめるという感覚だけで判断するのは注意が必要です。

社会の中で信頼を失うとデメリットも大きくなります。もう少し自分の人生を俯瞰して見て判断する力は必要になってきます。続けるメリットが大きいのであれば、苦痛に耐える忍耐力をつけるよりも、いかにして刺激を与えながら楽しく頑張れるようにするのかを自分から編み出していきましょう。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

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