ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)が行うオンライントークセッションが18日、同映画祭のYouTube公式チャンネルでライブ配信され、代表の別所哲也氏ほか、映画監督の深田晃司、映画館「ユーロスペース」の北條誠人支配人、女優の筒井真理子が出演。コロナ禍で危機に直面している映画館などの救済を呼び掛けた。

 この日行われたトークセッションは、6月4日の「ショートフィルムの日」を皮切りに、秋に開催予定の映画祭までの間実施するオンライントークシリーズの第2弾。全国の小規模映画館「ミニシアター」を守るための支援プロジェクト「ミニシアターエイド」の設立の発起人でもある深田監督が、クリエイターにとっての映画館について話をしたほか、北條氏はミニシアター運営の視点から、筒井は俳優/女優の視点から、それぞれ映画文化や映画館の存在価値について意見を述べた。

 コロナウイルスの感染拡大による自粛期間を振り返った筒井は「自分のスケジュールを振り返ってみただけですごく悲しい気持ちになった。いろんなことがあったんだって」とため息。筒井は平林勇監督作『SHELL and JOINT』で今年、第70回芸術選奨映画部門文部科学大臣賞を受賞するなど幸先の良いスタートを切っていたが、同作の完成披露試写会は2日前に中止が決定。別作品で大阪へロケに行く予定があったものの、こちらも移動3日前に延期が決定するなど、コロナの影響をまともに受けた。深田監督とは、昨年7月公開の『よこがお』でタッグを組んだが、深田監督が「すごく昔の事のように感じますね。これもコロナの影響ですかね」と話を振ると、筒井は「時間がすごくたったような気がします」と苦笑い。

 コロナで影響を受けたのは俳優や映画監督、クリエイターだけでなく、劇場もそうだ。北條氏は「2月の中旬からだんだんお客さんが減ってきて、3月に入ってかなり落ちた。4月の第1週は前年の8パーセントしか売り上げがなかった。非常事態宣言が出てから休暇を取って、劇場の売り上げという物をわたしたちはその後、失ってしまった」と述べ、ミニシアターの現状を紹介。

 深田監督はコロナ禍のミニシアターを救うため、クラウドファンディングを立ち上げ、劇場救済に乗り出し、3億3千万円もの救済金を集めた。別所氏も「ミニシアターは多様な映画が見られるし、監督や俳優にとっても表現の場が与えられる」と存在意義を述べ、筒井も「見る側にとっても作る側にとっても絶対あってほしい場所、このままなくなってしまったらどうしよう。国を挙げてこの文化を大切にしてほしい」と思いを吐露。

 北條氏によれば、大学の教授らとどのような形で劇場の営業再開が行えるかなどの話し合いがようやく始まったといい、ミニシアター再開への目処も立ってきた。コロナ後は劇場の在り方の変化も予想されるといい、北條氏は時代の変化を考察しつつ、「オンラインと共存しながら生き残って行く」ことなども視野に入れていると話した。「映画を共有できるような形を、スクリーンとオンラインで一緒に構築するようなことも考えて行った方がいい」と述べ、具体的にオンラインで評判が良かったものを改めてミニシアターでかけるプランや、ミニシアターがない街にオンラインで作品を届けるプランなどを提案。ミニシアターが今後生き残って行くための方法などを熱っぽく語っていた。

(取材・文:名鹿祥史)