新型コロナウイルスに感染し、入院を経て復帰した俳優・石田純一が深夜にスポンサーと飲み歩いたことについて、「これも大切な仕事だから」と譲らない態度を見せ物議をかもしていた中、タレント・ヒロミの擁護的な姿勢が批判の声を集めた。

 ​>>石田純一批判に、ヒロミ「これが石田さん!」坂上「緊急事態宣言下ではない」擁護で疑問の声<<​​​

 4日に放送された『バイキング』(フジテレビ系)で、ヒロミは石田について、「石田さんは男っぽい人だから誘われたら行っちゃう」「本人は仕事だと思ってるから」「先頭を切っているわけではない」と発言。これに対し、ネットでは「ヒロミの男気発言は理解できない」「明らかに擁護してて見苦しい」「芸能人同士は甘い」といった声が寄せられた。

 また、司会の坂上忍も、今回スクープされた石田の行動について「一応、緊急事態宣言下ではない」と前置きし「もうこれ以上、石田さんのニュースはできれば扱いたくない」と本音を漏らす場面もあった。

 坂上といえば、芸能人を擁護するような発言が多い人物として知られている。過去にお笑いコンビ・千原兄弟の千原せいじの不倫が発覚した際には、「モテないわけがない」と肯定的ともとれるような姿勢を見せ、千原の記者への対応を「芸人さんって本当に頭の回転が早い」とほめた。また、女優・鈴木杏樹の不倫報道に関し、「相手にうまいこと言われて信じようという気持ちになってもだめですか?」と訴えかけるシーンもあった。

 芸能人同士に限らず、人間は身内や仲間など、自分が所属しない集団の人間に比べて、自分の所属する集団の人間につい好意的な捉え方をしてしまうことがある。心理学では、これを「内集団バイアス」または「内集団びいき」と呼ぶ。前述のヒロミや坂上のように、問題を起こした仲間に対して擁護的な姿勢をとることも、内集団バイアスが原因であると考えられる。

 内集団バイアスは、国単位、もしくは企業・業種・学校・家族など、大小様々な規模のグループ単位で見られる心理現象だ。自分の所属しているグループの成績、働きを過大評価したり、同一の集団の中にいると認識している人に対して好意的な感情を持ったりするのもその一つである。

 内集団バイアスが引き起こされる原因は、「社会的アイデンティティ理論」によって説明できる。社会的アイデンティティ理論とは、生きていくために必要な自尊感情や自己肯定感を維持し、高めようとする「自己高揚動機」が人にはあって、自分の所属する集団の社会的な存在価値を高めようとするという理論である。

 内集団バイアスは、自己高揚動機が高い人や、帰属意識が高い人ほどその傾向が強くなる。こと芸能人という、世間の注目を浴びる特殊な職業においては、それらの条件によく当てはまるのかもしれない。

 一般的な例では、「うちらってみんな意識高いよね」などと、自分の所属するグループが外集団よりも優れていること、あるいは「他と違う」と希少価値が高いことを頻繁にアピールする人は、内集団バイアスが強く働いている状態と言える。また、内集団バイアスは、自分が所属していると捉えているカテゴリーが狭いほど強くなりやすいことも分かっている。

 一般社会でもよくあることとはいえ、公共の電波で公平性を欠いた一方的な身内びいきが露呈すると、視聴者の反感を買ってしまいやすいようだ。

文:心理カウンセラー  吉田明日香