学生時代の校舎や教室ではなく、通学路を振り返る。そんなエポックな番組「あの日の通学路 思い出の扉が今開く!爆笑大阪編&ドキドキ岐阜編」が8月下旬、NHK総合で放送された。懐かしの道を歩くロードドキュメンタリー。出演資格があるのは、同じ学校出身の有名人が複数名いる、ということ。スタッフが歩いた通学路を映像で観て、語り合うコンセプトだ。

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 大阪編はやはり、お笑い芸人で固められた。中川家・礼二、ますだおかだ・増田英彦、落語家の桂三度。三度は13年ほど前、「3の倍数と3が付く数字のときだけアホになります」のギャグで、別称・世界のナベアツとして一世を風靡した。

 3人は大阪・守口市立梶中学校出身。この地域は、松下電器(パナソニック)や三洋電機の下請けが多かったため、町工場が多かった。そこかしこから機械音が聞こえ、油の臭いが漂う街だった。
 そんな守口市から生まれた中川家は初代M-1王者で、ますおかは第2代目。三度は「R-1ぐらんぷり2008」ファイナリストとあって、お笑い虎の門と呼ぶにふさわしい。増田と三度は同級生で、中学2年生のときはクラスも同じ。3年生になって三度は転校した。その1学年下にいたのが、中川家の剛。弟の礼二は、そのもう1学年下だ。

 中学校の斜向かいにある梶小学校は、増田の母校。大人になったら漫才師になりたいと夢見ていた増田少年は、6年3組の昼休みの時間、渡り廊下で教室に向かっていつも漫才をしていた。架空の「お笑いスター誕生コント」で勝ち抜き、優勝するというストーリーは、小学生ながらに完ぺきだった。
 中学生になってから笑わせることに快感を覚えたのは、礼二。剛が自分の教室に弟を呼んで、ものまねをさせた。これが“一般人ものまね”シリーズの原点。「何かを食べながら話しかけてくるおばちゃん」「歯のないおっさん」などは、人間観察路というべきこの通学路で誕生した。

 実際に触れ合ったのは、理容店、菓子店、駄菓子屋のおばあちゃん。菓子店には、三度がナベアツの時代に出したグッズ「オモローな電卓」が色あせて、雑に置かれていた。当時からこの店を守っているおばあちゃんは、「これ、鍾(あつむ/三度の本名)くんの」とカメラに差し出して見せたが、そこには「BOOK OFF ¥300」の値札が…。さすが、大阪のオバチャンだ。

 同番組は9月12日(午前8時45分〜)、60分の拡大版となってBSプレミアムで再び放送される。お笑いファンでなくとも、自身の郷愁感と重ね合わせながら観たいものだ。

(伊藤由華)