ブラックマヨネーズといえば、「M-1グランプリ2005」の優勝以降は仕事が絶えず舞い込んでいる。地元の関西と、拠点にしている関東の両方で冠レギュラー番組を持ち、明石家さんまやダウンタウン、ヒロミや坂上忍ほか多くの大物司会者と相性がいい。東京での生活、妻子を手に入れ、文句のつけようがないほど恵まれたポジションを保つ。それでも変わらないのが、吉田敬のセコさだ。

 芸人は、食えない時代は誰しも生活費を切り詰める。売れておごる立場に逆転すると、金遣いは派手になる。しかし、吉田の場合はどケチなまま。芸人という不安定収入者がこの先も家族を養っていけるか不安で、生活水準をさほど変えない。慕ってくれる後輩との飲み会には、信じられないルールがある。

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 そもそも、「焼酎を飲めないやつはダメ」というのが大前提。吉田がオーダーする焼酎のボトルをシェアして飲むのが決まりで、単品のアルコール、単価が高いワインのフルボトルはご法度。それだけではない。フードも頼んではいけない。そのため、声をかけられた後輩は食事を済ませてから出向く。そのせいか、およそ10年にわたって仕えている烏龍パーク・橋本武志、すゑひろがりず・南條庄助、ネイビーズアフロ・みながわは、おしなべて細身だ。

 地獄の飲み会のため、新規メンバーはほぼ皆無。吉田の金言を聞きたいために“スポット参戦”する後輩が現れても、長続きはしない。橋本のようにかつては週5ペースで付き合う後輩は、レアケースだ。橋本は、吉田の参謀のような存在。女性も参加する飲み会があると、実にいいあんばいの立ち回りをして、吉田の好みを会話や雰囲気で把握。その後のアバンチュールがあるかないかまで、読み解く。

 2人は、小芝居も打つ。吉田は飲みに行く前にスマホでクーポン券が使える店を検索して、予約を入れる。店に到着するとスマホごと橋本に渡し、勘定のタイミングになると、橋本が「吉田さん、これありますけど」と割引ページの画面を開いて見せるのだ。

 「吉田さんはそれを見て、『かっこ悪いなぁ。そんなん出すなやっ!』と太っ腹な先輩気取り。『店員さん、ほんますいませんねぇ』と愛想よく接して、好感度を上げるのです。この猿芝居を毎回するそうです」(お笑い通の芸能ジャーナリスト)

 庶民派居酒屋でクーポンを使用するM-1王者は、吉田だけかもしれない。

 橋本は、台風の日に大阪屈指の繁華街・難波でナンパするよう指示されたこともある。当の吉田は自宅で待機。いっこうに橋本から連絡がなかったため、サボっているのではないかとこっそり偵察に行くと、強風で傘をひん曲げながら奮戦する橋本がいた。

 それでも途絶えることがない師弟関係。この実話を月収3ケタ男の吉田がするから、笑えるのだ。

(伊藤由華)